リウマチが女性に多い理由

月経や授乳にかかわるホルモンがリウマチに影響する

リウマチと女性

関節リウマチの患者さんの男女比は、男性1に対して女性が4で、比較的女性に多い病気です。これは関節リウマチだけのことではなく、自己免疫関係の病気は全体的に女性の患者さんのほうが多い傾向があります。なぜ、女性に多くなるのでしょうか。はっきりとはしていないのですが、ひとつ考えられるのが、女性ホルモンとのかかわりです。女性ホルモンが直接、病気をひき起こす原因になることは考えられません。

ただし女性ホルモンは、自己抗体の働きや、免疫反応を促すサイトカインなどの物質を活性化させやすいと考えられています。女性ホルモンのうち、卵胞ホルモン(エストロゲン)と乳腺刺激ホルモン(プロラクチン)に、こういった働きがあるとされています。実際、関節リウマチは、特に月経のある年代で発症しやすい病気です。エストロゲンは、閉経すると分泌されなくなりますので、関連性が考えられます。

また、関節リウマチの女性が出産して、産後に授乳をつづけていると、症状が悪化するケースはよくあります。これにも、プロラクチンの影響が考えられています。

妊娠・出産の機能が免疫の働きを複雑にする

もうひとつ、女性がもつ妊娠・出産の機能も、自己免疫反応とかかわりがあると考えられます。たとえば、妊娠中は免疫の働きが抑えられます。男性の精子や、胎児の細胞は、女性にとっては一種の異物となりますので、これを非自己として排除しないように、免疫系があまり働かないようにするのです。

一方、出産後には、この免疫抑制は解除されますが、それが急激に行われると、反動で免疫の働きが一気に高まってしまうことがあります。このようなときは、自己免疫反応も過剰になりやすいのです。

女性の免疫システムは、このように、男性よりも複雑でデリケートな対応をするため、自己免疫の病気を起こしやすいのだと考えられます。

自己免疫の病気は女性に多い 男女の比率

  • 関節リウマチ 1:4
  • 強皮症 1:7
  • 全身性エリテマトーデス 1:9
  • 混合性結合組織病 1:9
  • シェーグレン症候群 1:14

女性は免疫力が強い

生物としてのヒトの歴史は、感染症との闘いの歴史でした。最初の抗生物質であるペニシリンが発見されたのは、1928年。まだ、100年もたっていないのです。抗生物質がなかった時代、女性は、感染を排除できる強い免疫システムを備え、子孫を残すために生殖年齢まで健康で生き抜くことが重要で、そういう人だけが生き残っていきました。

その力を引き継いでいる現代女性は、男性より強い免疫力をもつといえるでしょう。しかし、強すぎると、相手をまちがえ、自己へ向かってしまうことも。女性の自己免疫疾患には、こんな背景があることも考えられます。

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