リウマチの治療

リウマチの治療は診断を受けたら積極的に

診断直後から積極的に治療していくことが大切
リウマチの治療

関節リウマチは進行性の病気です。疾患活動性が高ければ発症直後から急激に進みます。なるべく早く診断を受け、診断直後から積極的に治療していくことが大切です。

とくに早い段階から積極的に治療したほうがよい人も

関節リウマチとわかれば、できるだけ早く治療に取りかかります。とくに疾患活動性が高く、関節の破壊が進みやすい人は、ようすをみている暇はありません。 速いスピードで関節破壊が進む人には、いくつかの共通点がみられます。いちばん注意したいのは、抗CCP抗体が陽性だった人です。

また、30代までに発症した女性も疾患活動性が高い傾向がみられます。若い年齢であ ればあるほど、関節障害が進んでしまった場合、生活に大きな影響がおよびます。早期診断、早期治療で寛解を目指しましょう。

リウマチの症状の進み方は個人差がある

関節リウマチの進み方には個人差があります。関節の破壊を防ぐためには、症状が強い人ほど早い段階で正しい診断を受け、できるだけ早く治療を開始することが重要です。

ゆるやかに発症、ゆるやかに進むタイプ

関節リウマチかどうかはっきりせす、診断までに時間がかかる人の場合、疾患活動性は低めで、関節の破壊が急激に進むことはまずありません。しかし、放置しておけば徐々に進行していくおそれもあるので、診断がつきしだい治療を始めます。

初めから症状が強く、急激に進むタイプ

疾患活動性が高い人の場合、発症から問もない時期にいちばん勢いが強く、徐々に病勢が落ち着いていく傾向があります。関節の障害を防ぐためには、できるだけ早い段階で治療を始めることが重要です。

関節リウマチには4つの治療法でアプローチ

リウマチの治療の中心は薬物療法

リウマチの活動性を抑えるに治療薬が欠かせません。薬物療法を中心に治療を進めていきます。治療が長くなるにつれ、関節症状以外にも注意したいことが増えてくる。よりよく暮らすために工夫して

基礎療法

  • 関節リウマチについて知る
  • 日常生活を改善する
  • 精神の安定を図る

薬物療法

目覚ましい進歩を遂げて主に、自己免疫反応を抑えることで炎症を止める薬が使われています。

  • 免疫以上を改善し、病気の進行を抑える(抗リウマチ薬)
  • 痛みを抑えるステロイド性抗炎症薬(非ステロイド性抗炎症薬)
  • 最新薬(生物学的製薬)

リハビリビリテーション

生活の不自由さを解消するには、体操などで身体的な機能アップをはかることも大切です。

  • 物理療法(温熱/冷却療法)
  • 作業療法
  • 装具療法
  • 運動療法

手術療法

関節の障害が進んできた場合には手術を受けることで暮らしやすくなります。

  • 痛みを和らげる手術
  • 関節の機能を改善する手術
  • 失われた関節機能を取りもどす手術

リウマチの治療 基礎療法

積極性が治療効果に影響する

4つの治療法のうち、基礎療法は患者さん自身がとり組むものです。 関節リウマチは、!0年、20年、あるいは患者さんの生涯にわたって、大変長い経過を経る病気です。その時間の長さを考え、気が遠くなるような思いにかられることがあるかもしれません。治疱はむずかしいと聞けば、落ち込んだり、ゆううつになることもあるでしょう。

しかし関節リウマチは、患者さんが治療に対して前向きになり、積極的にとり組めるかどうかが、効果に大きく影響する病気です。薬をのむにしても、「なぜ、どのような目的で、この薬が必要なのか」「どんな副作用に気をつけるか」といったことを認識している場合と、「医師にいわれたから」と漫然とのむ場合とでは、服用への。真剣度が違います。

薬をのみたくないという気持ちはだれにでもありますし、うっかりのみ忘れてしまうこともあるでしょう。不快な症状があるのは薬のためではないかと、のむのをやめてしまうこともあるかもしれません。

しかし関節リウマチの薬は、のんだりのまなかったりでは、効果は期待できませんし、かえって病状が悪くなることもあります。このような場合、薬について正しく理解していれば服用にも真剣になれますし、副作用などの問題が起こったときは、医師に相談できます。

関節リウマチは、医師だけでよくすることはできません。患者さんが医師を信頼し、治療に積極的にとり組むことがポイントになるのです。また基礎療法には、ストレスをためず安定した精神状態を保つことや、食事、睡眠、体調管理など生活全般がかかわります。

リウマチの治療 薬物療法

関節破壊が進む前に勢いを止める薬物療法

関節リウマチの治療のポイントは「痛みをやわらげる」「関節の変形や破壊を防ぐ」「関節の機能を保つ」の3点にありますが、その中心的な役割を担うのが薬物療法です。 薬は大きく分けて、非ステロイド性抗炎症薬、副腎皮質ステロイド薬(ステロイド薬)、抗リウマチ薬の3種類があります。関節破壊が進み変形してしまってからでは、どんな薬を使ってももとにには戻せません。初期のうちに病気を抑え込むことが重要なのです。

そこで現在では、関節リウマチという診断が確定したら、(年齢的に使用がむずかしい、重い合併症がある、といった問題がある人を除き)なるべく早期から積極的に、関節破壊を抑える効果のある抗リウマチ薬を使うことが推奨されています。

リウマチの治療 リハビリビリテーション

リハビリ療法は生活の質の維持にもつながる

リハビリテーションは、補完的なものと考えられがちですが、関節リウマチでは治療の4本柱の一つとなる、 重要なものです。関節リウマチになると、痛みのために関節が動かしにくくなります。

しかし動かさなければ、周囲の筋力も低下し、可動域(動かせる範囲) が狭くなって、日常動作も不自由になっていきます。これを防ぐには、発症した初期からリハビリ療法を始めることが大切です。

ベッドで寝たまま体を動かさない状態がつづくと、筋力は1日に5%の率で低下し、背骨のカルシウム量は週0.9%の率で失われるといわれます。骨も筋肉も関節も、使わないと弱っていくのです。

血流をよくして痛みをやわらげる物理療法

物理療法とは、自然界に存在する物理的なエネルギーを利用する療法です。具体的には、温熱、水、氷、光線(赤外線、レーザー光線など)、超音波などを使います。血液の循環をよくしたり、新陳代謝をうながす作用があり、また関節リウマチの炎症をしずめ、痛みをやわらげる効果もあります。

物理療法には、患部を温める「温熱療法」と、冷やす「冷却療法」があります。どちらを行うかは、患 者さんの症状によりますので、医師の指示にしたがってください。基本的には、炎症がしずまっている場合は、温めて血液の循環を促す方法がよく、炎症が激しく患部が熱をもってはれているときは、冷やすほうがよいといえます。

関節の機能を保ち、筋力低下を防ぐ「運動療法」

関節や筋肉の働きが弱っていくのを防ぎ、現在残っている機能を維持するためには、運動を習慣づけることが重要です。医師や療法士から動かし方の指導を受け、そのあとは毎日の暮らしの中で、患者さん自身で運動をつづけてください。それが、病気を悪化させないコツです。毎日動かしていると、ちょっとした体の変化もつかめますし、病気に向かう積極的な意欲も生まれます。

手や指を中心に.生活動作を改善する「作業療法」

関節リウマチのために、料理、洗濯、針仕事などの家事が不自由になったり、服の脱ぎ着、洗顔、髪の手入れといった日常動作の一つ一つが思うようにできなくなったとき、女性の患者さんは男性以上に、こういった生活の不自由さが精神的に落ち込む要因になるようです。

作業療法は、病気によって不自由になった日常動作を改善するため、主に手や指先の機能回復を目的に行うリハビリです。作業療法を行うときは、まず医師が患者さんの日常動作を診断し、それにもとづいて、作業療法士がその人に合った作業を指導します。指導は、病院や地域の医療センターで受けられます。

関節を支え、破壊の進行を予防する「装具療法」

関節リウマチの装具は、つけること自体が治療になるもので、手指関節固定用スプリント、サポーター、腰椎コルセット、頸椎カラー、足底板、ひざ関節用装具などがあります。装具を使う目的としては、

  • 関節を固定して痛みをやわらげる
  • 患部を安静に保ち炎症をしずめる
  • 関節にかかる負担を軽くする
  • 関節の変形の予防と矯正

関節リウマチの装具は、つけること自体が治療になるもので、手指関節固定用スプリント、サポーター、腰椎コルセット、頸椎カラー、足底板、ひざ関節用装具などがあります。装具を使う目的としては、といったものがあります。

ただし装具は根気よく装着しなければ効果は得られません。外出の際に人目を気にして、外してしまう人がいますが、外出時のほうが関節にかかる負担は大きくなりますので、必ずつけるようにしてください。

また装具は、病気が進んだときに、それをカバーするためのものと考える人がいますが、機能障害がひどくならないための予防として使うことに意味があります。医師からすすめられたら、積極的につけるようにしてください。

リウマチの治療 手術療法

薬物療法を補い治療効果を上げる手術療法

関節リウマチの治療は、早い段階から抗リウマチ薬や生物学的製剤を投与し、関節破壊を食い止める薬物療法が中心になってきました。それによって、今後の発症者については手術を受ける数は劇的に減っていくと予測されています。軽い関節破壊では、薬物療法だけで日常生活を改善できるケースが多くなると考えられるからです。しかしながら、すでに破壊された関節は、薬では修復されません。

したがって、手術療法は必須のものなのです。関節破壊のため、関節周辺の腱(関節を動かす筋肉のうち、関節付近で骨にくっついて骨を動かす働きをする、細くて硬い組織)が断裂するまでにいたった場合には、手術適応になります。中でも、膝・股・足など、動作のかなめとなる関節が破壊され、日常生活に著しい支障をきたすようなら、手術を検討すべきです。

また、薬物療法で、関節リウマチの活動性がある程度コントロールできていても、関節変形のため痛みがある(足指関節変形で足底部に生じたタコ=胼肱)場合も、手術を、治療の選択肢として考えるべきです。痛みをやわらげ、関節の機能を改善するため、手術は大変有効な方法なのです。

手術のタイミングを逃すべからず

一度破壊された関節の機能を取彑昃す手術の代表が、「人工関節置換術」です。この手術は、周囲の骨まで破壊や骨粗しょう症が進んでしまうと、手術そのものが難しくなります。一方、痛みをやわらげ、関節の機能を改善する手術が「滑膜切除術」です。

こちらの手術も、滑膜の炎症が滑膜内にとどまっている状態でしか行うことができません。骨にまで炎症が広がってしまうと、手術しても骨の破壊が進んでしうからです。 このように、手術療法のポイントは、タイミングの見きわめにつきます。主治医と相談し、タイミングを逃さないようにしましょう。

手術前後の休薬に耐えるか?が大事な判断要素です

手術を受けるための必要最低条件は、一定期間、抗リウマチ薬や生物学的製剤を使用しなくても、病気がさほど進行しないことです。

というのは、術後は感染症を予防したり、手術創から回復するために、免疫の働きが不可欠。しかしこれらの薬は、免疫機能を抑えます。そのため、術前術後の一定期間、薬の服用をストップさせる必要があるからです。

リウマチの治療の目標は寛解

関節リウマチは治療可能な病気です。しかし、「完治した」と判断するのはなかなかむずかしい病気でもあります。 症状をなくし、進行を止めることが治療の目標になります。あります。どちらを行うかは、患者さんの症状によりますので、医師の指示にしたがってください。基本的には、炎症がしずまっている場合は、温めて血液の循環を促す方法がよく、炎症が激しく患部が熱をもってはれているときは、冷やすほうがよいといえます。

完治はむずかしいが寛解達成は十分に可能

適切な治療によって関節リウマチの勢いを止めることができれば、症状は消え、関節の障害もそれ以上進みません。 この状態を寛解といいます。一方、完治という言葉は、悪化した状態が回復し、治療不要になったときに使います。

関節リウマチの根本的な原因である自己免疫を完治させるのはむずかしく、治療を止めると症状が再び現れる可能性があります。 ですので、たとえよい状態が続いていても「完治した」とはなかなか言いにくいのですが、寛解の達成は十分に可能です。

自覚症状だけで判断してはいけない

注意したいのは、治療の結果、自覚症状はほとんどなくなっても、実際には滑膜の炎症が続いている場合もあることです。

寛解といえるかどうかは、関節超音波検査や血液検査などの結果もみながら、総合的に判断することが必要です。