リウマチの検査

気になるリウマチの症状があれば早めに専門医のもとで検査

関節の状態に不安があれば、早めに医療機関でリウマチの検査
リウマチの検査

関節リウマチが原因で関節に症状が起きているとしたら、できるだけ早く治療を始めることが大切です。関節リウマチは放っておけば治るというものではなく、徐々に関節の障害が進んでしまうおそれがあるからです。

ところが、早期であればあるほど診断がむずかしく、専門的な知識と豊富な治療経験がある医師でなければ、逃してしまう危険性もあります。 少しでも不安がある場合には、リウマチの専門医のもとで検査を受けるのがおすすめです。

リウマチが進んでしまう前に早期発見・早期治療を

この症状は関節リウマチ?そんな心配があったとしても、最初は近くの整形外科や一般内科を受診するケースが多いかもしれません。しかし、関節リウマチの診断は、ベテランの医師でもむずかしい面があります。関節リウマチには、「この検査で陽性だったらまちがいない」といえるような、診断の決め手となるものがありません。

たとえば、リウマチ反応を調べるリウマトイド因子が陽性だったとしても、関節リウマチと確定はできません。関節が痛む病気はほかにも数多くありますし、関節リウマチの初期は臨床所見が軽く、見落とされてしまうこともあります。関節リウマチは、病気が進んでしまう前の初期に発見し、すみやかに治療を始めることが、よい経過へと導くポイントです。もし疑われるのなら、最初からリウマチ専門医を受診することをおすすめします。

経験豊富な専門医だったら、さまざまなあらわれ方をする病気のサインを見のがさず、的確な判断ができますし、新しい治療法やリウマチ研究の動向にも通じているからです。

医師との良好な関係が治療の行方を左右する

では、実際に病院の何科を受診したらよいのでしょう。関節リウマチの専門医は、リウマチや膠原病という名をつけた診療科に所属していることが多いのですが、医療機関によっては内科や整形外科ということもあります。

しかも、リウマチ専門医の存在は地域によって偏りがあります。近くの医療機関に専門医がいない患者さんにとっては、病院を探す負担も大きいことでしょう。近所のかかりつけ医に、ふさわしい専門医への紹介状を書いてもらうのも、ひとつの方法です。

また、「日本リウマチ学会」「リウマチ情報センター」などの機関で調べる方法もあります。関節リウマチはいったん発症すると、長期にわたる治療が必要で、症状が治まっても、経過をチェックするための検査通院は欠かせません。

医師と良好なコミュニケーションをもてれば、安心して療養をつづけることができますし、病気の経過にもよい影響を与えます。信頼できる医師を得ることは、治療の第一歩といえるほど重要なことなのです。

関節リウマチの専門医

日本リウマチ学会が認定するリウマチ専門医・指導医、日本リウマチ財団のリウマチ登録医であることがひとつの目安。いずれもホームページで地域別に検索できます。

日本リウマチ学会

日本リウマチ学会は、リウマチ性疾患の研究・診療の向上を目的に活動をつづけている学術団体です。ここでは。リウマチ性疾患の認定制度を設け、指導医・認定医・認定施設を紹介しています。日本リウマチ学会のホームページにある「認定制度」のコーナーを開<と、各都道府県別の「リウマチ専門医・指導医」の名簿を見ることができます。

  • リウマチ専門医・指導医名簿
  • http://pro.ryumachi-net.com/
リウマチ情報センター

リウマチ情報センターは、(財)日本リウマチ財団が運営しているサイトです。日本リウマチ財団では、リウマチ性疾患の正しい知識の普及、調査・研究、社会的な対策などを進めており、「リウマチ登録医制度」を設けています。名簿は、日本リウマチ財団のホームページから「リウマチ情報センター/リウマチ登録医の所属する医療機関」を開<と見ることができます。

  • リウマチ登録医の所属する医療機関
  • http://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm150/list/

リウマチの検査 問診

問診は、検査の前に医師が患者さんに会って、診断のために必要なさまざまな質問をする場です。ほとんどの医療機関では、質問をリストにして、それに答える形式の「問診票」を用意しています。医師にとって患者さんの履歴は、病気の状態を知る重要な情報源であり、診断や治療の手がかりになります。

初診の際は、次に述べるような家族歴、自身の病歴、いつ、どのような症状があらわれたかなど、メモにして持参するとよいでしょう。医師には、自分が感じていることを正直に、また正確に話してください。その後の診断や治療にかかわってくるからです。

家族歴

関節リウマチは遺伝病ではないものの、発病には遺伝的な体質や素因がかかわる場合があります。兄弟・姉妹、両親、祖父母など家族の中に、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、強皮症、シェーグレン症候群といった自己免疫性の病気の人がいたか、それはどのような病気か、あらかじめ調べておくといいと思います。

家庭、職場(職業)、趣味、周囲の人の病気への理解などについても、医師から質問することがあります。関節リウマチという病気には、患者さんがどんな生活環境で過ごしているかが、さまざまな形で影響するからです。私生活について話すことにはためらいもともなうと思いますが、治療のためには不可欠な要素です。

既往歴

これまでかかったことのある病気について、特に関節リウマチとかかわりのある、甲状腺の病気、シェーグレン症候群、高血圧などの有無について伝えてください。

治療のために抗リウマチ薬を使いますので、副作用などに注意するために、胃腸障害、結核、糖尿病、腎臓の病気、肝臓の病気、薬物アレルギーなどの有無も伝えてください。

現在までの病気の推移

症状、画像検査のようすや病歴などを総合的に判断した結果、関節リウマチします。また関節の構造に異常なく関節リウマチとはいえないが、症状が続く場合には改めて診断を見直すこともあります。発症した時期、最初に症状があらわれた関節、発病した前後の状況(出産、身体的または精神的な過労、発熱、全身の倦怠感などがあったか)など、過去にさかのぼり、思い出せることはすべて伝えてください。

現在あらわれている症状について。特に痛みなどは、患者さん本人にしかわからない部分です。正確に伝えてください。

  • どの関節に、どんな症状があるかこわばりか、はれか、痛みか。
  • その症状を感じるのは、どんなときか。
  • 症状は、いつごろ始まったか。
  • 朝のこわばりは、どのくらいの時間つづくか。
  • 関節以外の全身症状(倦怠感、熱っぽさ、食欲不振など)があるか。

ほかの医療機関で治療を受けている人は、過去に使っていた(あるいは現在も使っている)抗リウマチ薬の種類や量を調べ、伝えてください。副作用(口内炎、皮膚症状、かゆみなど)が出たかどうかも伝えてください。

リウマチの検査の流れ

「この結果が出たら、関節リウマチ」と判断できるような検査法は今のところ存在しません。症状や血液検査、画像検査などの結果をみて、関節リウマチかどうかを医師が総合的に判断していきます。

リウマチの症状

どんな症状がいつから現れたか。思い当たるきっかけはあるか、関節をさわった感じはどうかなど、症状を詳しく見ます。 またこれまでにかかったことがある病気、治療中の病気、血縁者に似たリウマチの症状の人がいるかどうかなどを調べます。

血液検査・画像検査

血液検査で炎症や免疫異常のサインの有無を確認します。画像検査(関節超音波検査などで関節のようすを調べます。

診断

症状、画像検査のようすや病歴などを総合的に判断した結果、関節リウマチします。また関節の構造に異常なく関節リウマチとはいえないが、症状が続く場合には改めて診断を見直すこともあります。

関節液検査で炎症の状態や免疫細胞の変化をみる

関節液は、滑液ともいいます。その名のとおり、滑膜から分泌され、関節の骨と骨の間のすき間を満たしている液体です。関節液の中には、滑膜の毛細血管を通りぬけてきた血清成分と、ヒアルロン酸(酸性ムコ多糖類)がまじり合っています。

色は無色、あるいは淡黄色を帯びて、透明です。ヒアルロン酸は納豆のネバネバのような物質で、関節液に粘りを与え、骨と骨とがこすれ合ってもきしまず。スムーズに動かすための潤滑油のような働きをしています。

また関節液には、軟骨に栄養を供給する役割もあります。この関節液を、静脈注射用の絹い針をさして採取(穿刺)し、肉眼と顕微鏡の両面から調べることがあります。

量、透明度、色をみる

量は、炎症が起こると増えます。滑膜から血液の成分がしみ出るためです。通常は1ml程度ですが、ひざなどの大きな関節では50mlほどになることもあります色は、本来は無色透明ですが、炎症や化膿があると、乳白色、または 緑がかった黄色になり、濁ってきます。

粘りけを調べる

健康な関節液を指にのせ、こすり合わせてみると、糸を引きます。関節液は、それほど粘りけのあるものなのですが、炎症が起こると、この 粘りけがなくなります。関節液が増えてヒアルロン酸が薄まったり、関節液に含まれている酵素がヒアルロン酸の成分を分解してしまうからです。この現象は関節リウマチ特有のものではなく、関節炎では広くみられます。ただし、関節液の中に細菌がいるか、また結晶があるかどうかを調べ、炎症が細菌によるものか、結晶によるものか(痛風や偽痛風)を区別するには重要な検査です。

免疫細胞の検査

関節リウマチになると、関節液の中にも免疫緇胞か増えます。リウマトイド因子、免疫複合体(抗原と抗体が結合したもの)と補体(抗体を助けるたんぱく質。炎症にかかわる)が結合したもの、これらを食べてとり込む好中球、マクロファージなどです。また好中球が増えるため、自血球の数値も、止常値の500倍にも達することがあります。一方、自己免疫反応で消費されるため、関節液の補体は、血液中とくらべいちじるしく減ります。

尿検査で合併症や副作用を定期チェック

私たちの体内では、必要なものがつくられる一方、そのあとにはゴミ(老廃物)も出てきます。老廃物は血液に乗って腎臓に運ばれ、糸球体というフィルターにかけられて、最後に尿として捨てられます。  

この尿に含まれている物質の量が変化したり、ふだんは含まれない物質があらわれたりするのを調べると、体のどこで異変が起こっているか、知ることができます。特に腎臓の状態を調べるためには、尿検査が重要です。

尿検査は、関節リウマチが進行したときに起こる腎アミロイドーシスの合併や、ほかの病気との鍜別に必要になることがあ ります。また、薬の副作用をチェックするためには、血液の生化学検査とともに、定期的な尿検杳が欠かせません。

尿たんぱくで腎障害を調べる

糸球体は、大きな物質を通さないため、たんぱく質の分子は通過できません。健康な尿にたんぱく質が少ないのはそのためなのですが、腎臓 に障害が起こって糸球体が傷ついたりすると、尿にたんぱく質が出るようになります。 尿たんぱくの量をはかる検査は、腎障害の状態をみて、病気の有無や種類を調べるのに有用です。

関節リウマチと全身性エリテマトーデスは、初期症状ではまぎらわしい場合があります。そこで尿検査をしてみると、関節リウマチでは正常ですが、全身性エリテマトーデスでは初診のときから尿たんぱくがみられることが多いため、両者の鑑別に役立ちます。

痛風では、尿の中にたんぱくや尿酸が出てきます。関節リウマチと痛風との鑑別には、まず血液検査で血清尿酸値をはかる必要がありますが、補完的に尿検査が行われる場合があります。

関節リウマチに合併する腎アミロイドーシスなどを早期に発見するために、尿たんぱく検査は不可欠です。

固形成分から副作用をみる

健尿を容器に入れ、遠心分離器にかけると、固形成分がたまります。尿の固形成分とは、赤血球、白血球、円柱細胞、ヒ皮細胞、結晶(尿酸)などです。この固形成分を顕微鏡で見て、どのような物質がどれくらい含まれているかを調べるのが尿沈渣です。尿たんぱくが陽性の人には、尿沈渣を必ず行います。尿の固形成分の量が多くなると、薬の副作用による腎障害が疑われます。特に尿に赤血球や円柱細胞が多くなると、腎炎が活動性であることを意味します。

検査の結果、リウマチと診断されたら

検査の結果、リウマチと診断されると「これからどうなるのか」 「どんどん進行していくのではないか」など、不安でいっぱいになることがあります。 しかし、リウマチの治療法は進歩しており、現在は多くの人が「進行が止まっている状態」を維持することができます。

「つきあいたくなんてない」と思うかもしれませんが、現状はきちんと把握しておくことが必要です。そのうえで、つらい症状に苦しめられることがない状態を保てるように、対処していってください。