リウマチの症状

リウマチの初期症状は指の小さな関節の痛み、腫れに注意!

この記事は福岡の病院のリウマチ専門医が監修しています
リウマチの症状

関節リウマチと聞くと、「手や足の関節が変形する病気」というイメージがあるかもしれません。 しかし、リウマチの初期症状は小さな関節の動きに違和感を覚えるくらいです。

リウマチの症状は「朝のこわばり」が典型的

関節リウマチで最初に起こる症状としてもっとも多いのは、起床時に感じる関節のこわばりです。 年齢が高くなるにつれて、「目覚めてすぐは関節が動かしにくい」と感じるようになることはありますが、その状態が1~2時間以上続くようなら注意が必要です。

関節リウマチの初期は、痛みよりも「こわばり」や「はれ」が目立ち、それが「1週間以上つづく」ことがポイント。

リウマチの症状があらわれやすい関節

関節リウマチによる最初の変化は、多くの場合、手の指の関節など小さな関節に起きます。 特に指先から数えて2番目(第2関節)と3番目(第3関節)の関節には、全員が違和感を訴えると言っていいほどで、外出前に指輪をはめようとしたところ、はめられなくなっていて、病気に気がつく女性もいます。

足も早くからリウマチの症状の出やすい部分です。指のつけ根に腫れがあり、朝、起床して歩くと足裏に感じる砂利を踏むような不快感は、関節リウマチの典型的な症状です。

  • 手指の第2・第3関節・・・おかされる頻度91%
  • 手首の関節・・・おかされる頻度78%
  • 肩の関節・・・おかされる頻度65%
  • ひざの関節・・・おかされる頻度64%
  • 脊椎(頸椎)・・・おかされる頻度50%
  • 足首の関節・・・おかされる頻度50%
  • 足の指の関節・・・おかされる頻度43%
  • ひじの関節・・・おかされる頻度38%
  • 股関節・・・おかされる頻度17%
  • あごの関節・・・おかされる頻度8%

腫れを伴う関節の痛み

指の関節が紡錘型に腫れていてさわるとゴムのような弾力があり、痛む。朝のこわばりと同様に、手の指、足の指などの小さな関節から始まります。

最初は1つ2つ。徐々に増えていく

放っておけば腫れて痛む関節の数はだんだん増え、手首、足首、肩、ひじ、ひざなどの大きな関節にも症状が出てきます。

右にも左にも症状が出てくる

関節リウマチの場合、右手の指だけでなく左手の指も、左の足首だけでなく右の足首も、といったように体の左右の関節に症状が出ることが多いです。

リウマチの症状をチェック

関節リウマチは、早く見つけ、早く治療を始めるほど、よい経過が得られます。早期は、痛みよりも「はれ」と「こわばり」が目立ち、「1週間以上つづく」ことがポイントです。この4つの症状のうち、1つでもあると関節リウマチが疑われます。

  • 朝、起きたときに関節のこわぱりが15分以上あり、そういう状態が1週間以上つづく
  • 全身の3つ以上の関節がはれ、その状態が1週間以上つづく
  • 手指の第2、第3関節、手首、足首、足指のつけ根の関節のはれが、1週間以上つづく
  • 左右の関節がはれ、1週間以上つづく

他にも出てくる気になるリウマチの初期症状

リウマチの画像

関節の症状はもちろん、全身の症状も、じつは関節リウマチが影響していることがあります。 リウマチの初期の症状では、急激に関節の痛みが始まることは少なくなんとなくだるい、熱っぽい、食欲不振、体重減少といった、はっきりしない全身性の症状となって現れてきます。

微熱・倦怠感

関節の症状が強まるとともに起きやすくなるリウマチの症状です。関節リウマチがあると起こりやすい貧血も、倦怠感を増す要因のひとつになります。

歩きづらさ

足の指の関節が腫れ、痛みが出てくると歩きにくくなります。

関節リウマチは女性に多く、男女比は1:4程度

関節リウマチは、30~60歳代を中心に、日本では70~80万人もの方々がを患わっている方とされています。 全患者の6~7割が女性で、発症率も男性1に対して女性が4と、圧倒的に女性が多いのも特徴です。

リウマチの症状はすぐに関節が変形するわけではない

関節は骨と骨とのつなぎ目にあたるところ。私たちが体を自由に動かすには、関節のなめらかな動きが必要です。 関節リウマチは、この関節の中でウイルスや細菌に感染したわけでもないのに炎症が生じる病気です。

炎症が長く続くと、関節が変形したり、動かなくなってしまったりする危険性もあります。 ただし、そこまで進む前に、必ず関節の痛みや腫れ、こわばりなどの症状が出てきます。

早期発見、早期治療で、できるだけ早く手を打つことが大切な関節リウマチ。異常を感じたら早めに受診し、関節リウマチかどうか確かめておきましょう。

関節リウマチは、手の指から症状が始まるケースが多い

手の関節は、関節リウマチの初めから症状がでやすいところです。手には指関節と手首の関節がありますが、特に指の第2、第3関節は、リウマチ患者のほぼ全員に病変が起こるといっていいほどの部分です。

手指の関節は、親指を除き、それぞれ3個の関節があり、医学的には、先のほうから第1関節は「DIP」(遠位指節間関節)、第2関節は「PIP」(近位指節間関節)、第3関節は「MCP」(中手指節関節)といいます。むずかしい専門用語ですが、医師からの説明を受けるときに必要ですので、知っておくといいと思います。

手指の関節は、骨と骨とが向かい合い関節包がつないでいるだけのシンプルな構造になっています。そのため関節のはれが長くつづくと関節包がゆるみ、骨と骨は簡単にずれてしまいます。そうして関節リウマチ特有の変形が起こります。

次は手首です。前腕の2本の骨(橈骨と尺骨)の端と、手根骨の間にある、橈骨手根関節も初期から症状がでやすいところです。手首の関節は、ものをつかんだりもったりするとき、手指の働きの要となる重要な部分ですので、ここが障害されると手を使うときに大きな支障が出てきます。

足の指のつけ根の病変は、関節リウマチの症状の特徴

足も、手と同じように、初期からリウマチの症状があらわれやすいところです。特に、指のつけ根の関節のはれです。朝起き上がって歩きだすとき、足の裹に砂利道を踏むような不快な痛みを感じます。関節リウマチの特徴的な症状で、ほかの関節炎ではあまりみられません。

足の指は、手指と同じように構造が簡単なため、骨と骨がすれやすいといえます。この関節に全体重がかがるため、最初はちょっと指が曲がった程度でも、歩く動作が変形を加速させてしまいます。

外反母趾、槌指(親指以外の4本の指先が曲がり浮いたようになる)、重複指(指が重なり合ってしまう)、強い痛みをともなう足底のがんこなタコといった変形があらわれ、はける靴がなくなったり歩行も困難になる、やっかいな症状です。

日本人は、「ひざ」にリウマチの症状があらわれやすい

ひざの関節は、立つ、座る、歩くなど、日常生活のさまざまな動作にかかわる重要な働きをする、体の中ではもっとも大きな関節です。関節リウマチの病変は小さな関節から始まることが多いのですが、ときには、いきなり、ひざのような大きな関節から始まることがあります。日本人はひざがおかされやすく、手指・手首についで、リウマチの症状が出やすいところです。

ひざ関節の滑膜に炎症が起こると、関節液が大量にたまり(関節水腫)、ひざ全体がはれあがります。さらに軟骨がおかされると、動かすたびに澂痛が走るようになります。

また関節ばかりでなく、ひざの周囲の組織にも影響が出てきます。筋肉の力が衰えたり、靭帯の断裂などもあり、立ち居や歩行がますます困難になっていきます。手指ほど目立ちませんが、ひざ関節にも変形は起こり、次のような夕イプがあります。

内反膝

ひざの内側が破壊されると、外側へと変形します。片側だけのこともありますが、左右両方のひざに出ると、O脚になります。

外反膝

内反膝とは逆に、膝関節の外側が破壊されると、内側へと変形します。左右のひざが破壊されると、X脚になります。

波形膝

足をそろえて立つと、両方のひざが左右のどちらか一方に向いてしまう変形です。内外反膝ともいいます。

生活動作が不自由になる「肩」「ひじ」のリウマチの症状

肩の関節は、手指や手首についで、関節リウマチに症状がでやすいところです。肩甲骨と上腕骨で構成されていて、あらゆる方向に動かすことが可能な、人体でもっとも可動域の広い関節です。肩関節に滑膜炎が起こると、周囲の組織にも影響し、関節を動かす筋肉と骨をつなぐ腱が薄くなっていきます。

リウマチの初期は、肩が痛んだり腕が上げにくいといった五十肩のような症状があらわれます。骨の破壊が進むと、腕が上がらなくなっていきます。ひじの関節は、腕橈関節、腕尺関節、上橈尺関節の3種類の関節が、共通の関節包に包まれて構成されています。 ここに炎症が起こり長くつづくと、骨と骨がずれやすくなり、また関節包やまわりの組織もゆるんできます。そのため、関節はまわりの筋肉に引っぱられて曲がっていきます。

いったんこの変形が起こると、曲がる方向に力が働き、ついにはひじが曲がったまま伸びなくなることもあります。肩やひじの関節症状がっづくと、上半身の運動能力が制限され、洗髪、洗顔、服の脱ぎ着などの生活動作が不自由になります。

関節以外にもあらわれるリウマチの症状

リウマチでは、全身の結合組織(細胞と細胞の問にある組織)や、そこを走っている血管も炎症の場となります。そのため、関節だけではなく、ほかの臓器にも症状があらわれていないか、全身をみていく必要があります。関節リウマチで起こりやすい、関節外のリウマチの症状を紹介します。

骨が出っぱり、ものにあたる部分にできやすい「リウマチ結節」

関節リウマチの患者さんには、ひじの外側などにかたいコブのようなものができることがあります。関節の近くにできると、骨や軟骨とかんちがいすることがありますが、これはコブ状のしこりで、比較的よくみられる関節外症状です。リウマトイド結節ともいいます。

後頭部、ひじやひざの外側(伸側)、かかと、アキレス腱、坐骨結節部(臀部)など、骨が出っぱっていてものにあたりやすい部分の皮下にできます。いずれの場合も、感染を起こさない限り、痛みはありません。

リウマチ結節は関節リウマチ特有の症状で、これができていると、ほかの病気と区別する目印になります。関節リウマチの活動性と関係があるとされていて、リウマトイド因子の値が高い患者さんに多くみられます。

炎症が激しくなると大きくかたくなり、炎症が治まり症状が落ち着くと小さくやわらかくなります。なお結節は、体表だけでなく肺や心筋にあらわれる場合があり、重い症状をひき起こすこともあります。

肺に炎症が起こり、しだいに線維化する「間質性肺炎」

間質性肺炎は、関節リウマチにはよくみられ、昔からよく知られている合併症です。肺には、肺胞という袋状の組織がびっしり詰まっていて、酸素と二酸化炭素のガス交換を行っています。

この肺胞と肺胞の間を埋め、肺胞の骨格的な部分を形成するのが「間質」です。この間質に炎症が起こり、しだいに線維化(細胞や原形質が分化し糸状になった繊維成分が増える)していくのが間質性肺炎です。

線維化が進むと、肺は弾力を失ってかたくなり、肺胞の容積が減って呼吸の効率が悪くなります。そのため、息切れや呼吸困難を起こします。関節リウマチに合併する間質性肺炎は、重症化するケースは少ないのですが、発症の頻度は高いため、患者さんは定則的に胸部X線検査を受けることをすすめられます。

出血、組織障害、壊死などを起こす「リウマトイド血管炎」

血管炎とは、血管の壁に炎症が起こるもので、関節リウマチにともなってあらわれる血管炎は、リウマトイド血管炎と呼ばれます。血管炎が起こると、血管が破れて出血します。また、血流が悪くなり周囲の組織に酸素や栄養が十分に届かなくなるため、組織障害や壊死になることもあります。  

主な症状をはまず皮膚の病変があります。つめの周囲にみられる「点状出血」は、指の血管内膜の炎症によるもので、通常は無症状です。自然に消失することも多く、予後は良好です。小さな静脈の血管炎では、「皮疹や発疹」「紫斑」などが起こります。一方、中小の動脈での血管炎では、「皮膚の潰瘍」や「手足の指の壊疽」などが起こります。皮膚潰傷は、主に下腿にでき、皮膚に穴があきます。

また指の壊疽は指先にできることが多く、最終的には黒変(壊死)します。心臓、肺、腸、腎臓、膵臓、睾丸、リンパ腺などの臓器に、「動脈炎」が起こることもあります。なかでも心臓の血管の炎症は、生命にかかわる重大な合併症(心筋梗塞)を起こすことがあり、注意が必要です。

また、末梢神経を養っている血管に炎症が起こり、「しびれ」や「感覚マヒ」があらわれると、お風呂に入っても温度を感じなかったり、はいているスリッパが自然に脱げてしまう、といったことが起こります。

血管炎が特に重症なタイプは、「悪性関節リウマチ」と診断されます。関節リウマチは特定疾患ではないのですが、悪性関節リウマチに限り特定疾患に指定されていて、医療費の補助が受けられます。

眼内の血管炎による「上強膜炎・強膜炎」

関節リウマチになると、目の病変があらわれやすく、特によく上強膜炎と強膜炎が起こります。眼球は何層もの膜におおわれています。いちばん外側にあるのが結膜で、そのすぐ下にある上強膜は血管が通り、白目の部分をおおっています。さらにその下には、かたい強膜があります。

この2種類の強膜に炎症が起こってあらわれるのが、上強膜炎と強膜炎です。強膜に炎症が起こると、毛細血管が広がり白目が允血したり、眼痛があります。上強膜炎は、強膜の浅い部分の炎症のため症状は軽く、強膜はより深い部分にあるため、炎症が起こると症状も強くなります。

治療をせずに放置すると、眼球に穴があいたり視力が低下しますので、眼科医の診療が必要です。治療をして充血が治っても、強膜の病変部分が萎縮し、白目が薄くなるため、下のブドウ膜がすけて黒く見えることがあります。

ひんぱんにあらわれる「骨粗しよう症」や「貧血」

関節リウマチでは、「骨粗しょう症」 を起こす患者さんがよくみられます。いくつかの原因が考えられていますが、ひとつは骨代謝とのかかわりです。骨量の減少は、主に骨の吸収と形成のバランスがくずれたときに起こります。

関節リウマチでは炎症性サイトカインの作用で、骨の吸収ばかりが高まっていて、骨代謝のバランスが悪くなっています。特に、はれて痛い関節の近くの骨の骨量が低下するという特徴があります。炎症によって破骨細胞が活発に働き、骨量が減ってしまうのです。

また、治療のために服用するステロイド薬の影響も考えられます。このように関節リウマチには、骨粗しょう症になりやすい悪条件がそろっているといえます。

「貧血」もまた、関節リウマチではよく起こります。炎症が長びいて炎症性サイトカインが人量に放出されると、その過剰な作用で、鉄の利用が妨げられます。鉄は、赤血球中のヘモグロビンの原料になりますが、赤血球にうまく入らなくなってしまうのです。体じゅうに酸素を運ぶヘモグロビンが不足するため、息切れなどが起こりやすくなります。

リウマチと似た症状がある変形関節症

関節リウマチの症状の腫れと変形性関節症の腫れは見かけではわからないことがあります。 とくに近位指節間関節(指の第2関節)に変形性関節症の変化をきたすと、関節リウマチの滑膜炎の好発部位だけに見た目では区別がつきにくくなります。

そのようなときは、腫れている関節を、自分の両手の母指と示指で上下左右から挟み込むように触ってみてください。 弾力のある腫れであれば関節リウマチの腫れ、硬く骨張っている感じであれば変形性関節症の変化です。後者の場合は関節腫脹とは異なります。

リウマチの症状と写真

リウマチの症状と写真1
リウマチの症状と写真2
リウマチの症状と写真3
リウマチの症状と写真4
  • 出典元:関節リウマチの薬物治療ハンドブック
    監修:川崎医科大学 リウマチ・膠原病学 教授 守田吉孝先生
    出典元:リウマチ(RA)の診断
    監修:国立横須賀病院リウマチ・膠原病教室 松永敬一郎

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この記事はリウマチをサポートする情報メディアサイトとしてFORTIESが監修及び運営管理しております。

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