リウマチと日常生活

関節を守る生活動作の工夫

日常生活動作機能を維持し、高めてゆく
リウマチの治療

パソコンで仕事をする、読書をする、家事をする、食事をする、寝る。健康であれば、 特に意識せずに行う日常のさまざまな動作が、関節リウマチの患者にとっては、関節にかなりの負担をかけることがあります。

また、 関節リウマチのために、こうした日常の動作そのものがままならないこともあります。 作業療法とは、動作、姿勢、道具などを工夫して、自分の体の生活動作機能を維持し、高めてゆくための療法です。

ちょっとした工夫で、できることがぐっと広がります。生活上のヒントを参考にして、いろいろな姿勢や動作を見直してみてください。

関節への負担を減らす日常生活の動作の工夫

キッチンで家事

  • 座って作業する
  • ひねるタイプの蛇口はレバーハンドルに
  • よく使うものはワゴンにのせる

家事の動作

  • 鍋はミトンを使って持つ
  • 物を持つときは片手ではなく、もう一方をそえて手のひらで受けるように持つ
  • やかんからお湯を注ぐときは、やかんを台にのせ、高さをつけて注ぐ
  • ビンの栓を抜くときは逆手で
  • 調理器具は親指を上にして握る

机に向かって仕事、読書

  • うつむかない

洋服をしまう、着る

  • タンスの引き出しには、開けやすくするひもをつける
  • かぶるタイプの洋服は、テーブルの上に腕を置いて支える

掃除、洗濯

  • 洗濯機から洗い終わったものを取り出すときは、孫の手を利用
  • 拭き掃除は手首を曲げない

寝る

  • 布団はやめて、ベッドにする
  • 頚椎保護のため小さく低い枕を使い、背筋や足は曲げない
  • ベッド脇に、つかまれるものを置く

お風呂

  • バスタブの傍にシャワーチェアを置く
  • 泡で出てくるポンプ式のシャンプーやボディソープを使う
  • 体をすすぐときはシャワーで

外出先

  • エレベーターやエスカレーターを使う
  • バッグは手に持たず、肩掛けか、リュックサックタイプのものを
  • 携帯ステッキをバッグに入れておく

動作を助ける自助具を活用

生活動作を助ける自助具も、いろいろありますので、じょうずに活用しましょう。それも、不自由だから使うのではなく、関節を守り変形を予防するという、前向きな目的をもって利用しましょう。

家事や食事を助ける自助具

リーチャー

物を動かす(引きよせる、押しやる)、床に落ちたものをひろう、カーテンの開け閉め、衣類の脱ぎ着など、さまざまな使い道があります。先端はC型や、二連の鉤がついているものがあります。

自助包丁

力が弱くても使えるものなど、さまざまなタイプがあります。

自助スプーン、自助フォーク、自助箸

スプーンやフォークは、いろいろな形があります。箸は、スプーンのようににぎって使えます。

レバーハンドル式水道栓

レバーを上下するだけですむ、使いやすい夕イプ。

フォームラバー

適当な長さに切り、スプーンやフォークなど使いたいものを差し込むだけ。にぎり部分を太くします。

服装はらくなものを

衣服を脱ぎ着するときは、指先からひじ、首、ひざ、足首まで、体じゅうの関節を、無意識のうちに深く曲げたり、ねじったりします。 健康なときは、なんでもない動作ですが、関節リウマチの人にとっては、大きな負担になります。毎日のことですので、できるだけ負担を軽くする工夫をしましょう。

ブラウスやセーターは、かぶる夕イプのものより前が開くものを、リーチャーを使って着るほうがラクです。ボタンなどの留め具はなるべく少なくし、マジックテープにしたり、ファスナーにはリングやひもをつけるなど、着やすくする工夫をしましょう。

着替えを助ける道具や、着るときのコツ

ソックスエイド

ソックスを筒状の部分にはかせ、足を入れてひもを引き上げます。

パンストエイド

パンストをはくときは、イスなどにすわります。足元に台を置くと便利です。ただし、このような動作を無理せすできる人に限ります。ストッキングは、本体のくびれ部分までかぶせ、足を中に入れ、両手でひもを引き上げます。

ボタンエイド

ボタンかけがラクにでき、指への負担がありません。

ファスナー用リーチャー

ファスナーにリングをつけておくと、引いて上げ下げできます。また、リーチャーを利用すれば、長いファスナーや後ろファスナーな どもラクに上げ下げできます。

かぶる服を着るとき

ひじに障害のない人は、かぶるデザインの服を楽しむのもよいでしょう。着るときは、テーブルの上に腕を置いて支えます。

体をしめつけずに動きがラクな服を

外出のもうひとつの楽しみは、いつもとは違うおしゃれができることではないでしょうか。関節リウマチの人の服は、関節に負担をかけず、着ているときに体をしめつけない、ゆったりしたものがよいとされていますが、あまり大きなサイズは着くずれします。肩幅が合っていて、背幅でゆとりをもたせたものがおすすめです。

色は、人によって好みがありますが、病気だからと無理に地味な色にする必要はありません。身につけると気持ちが元気になるもの、楽しくなるものを選んでください。素材は軽くソフトで、肌ざわりのよいものにしましょう。

冬は保温性夏は通気性がポイントです。吸湿性があり汗がこもらないことも必須条件です。伸縮性がある素材は、動きがラクで、しわにもなりにくい利点があります。スカートやスラックスなどにとり入れましょう。

夏の冷えには要注意

いまや冷え対策は、夏のほうが重要です。バスや電車などの交迦機関も、デパートやスーパー、映画館、飲食店などでも、強いクーラーがかかっています。関節リウマチの人にとって、冷やしすぎは関節の痛みを増幅させるもとになります。

ひじやひざなどの関節は、むき出しにしない、冷たい風に直接あたらないようにする、といった工夫をしてください。はおるものをもったり、いっそ長袖にするの もよいでしょう。

足に合った靴を選ぶ

関節リウマチは、家の中で安静にしているばかりではよくなりません。積極的に外出する意欲は、病気にもよい影響を与えます。出かけるときのポイントになるのは、まず靴でしょう。関節リウマチの人にとって、歩きやすい靴の条件とは

  • ヒールの高さは2~3cm以下。
  • かかとや、土踏まずの部分をしっかりサポートするもの。
  • 靴底は、厚くかたいもの。
  • はいたとき、靴の中で足の指を曲げたり動かしたりできるもの。
  • 靴の中に中敷き(インソール)があるもの。中敷きには、土踏まずのアーチを支える、体重の分散をする、歩くときの衝撃を吸収する、といった働きがあります。
  • はき口が人きく、留める部分がマジックテープのものは着脱がラク。

治療薬の副作用による感染症、インフルエンザ、風邪に注意

関節リウマチの治療薬の場合、副作用で免疫が弱まり風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなることがあるので注意が必要です。

手洗い、うがい

感染症予防の基本は手洗い。帰宅してすぐ、食事の前など、しっかり手を洗おう。外から帰ったときは、うがいも忘れずに

マスク着用、防寒対策

人の多いところに出かけるときは、マスクをつける。のどの乾燥も防げます。寒さや湿気は関節症状を強めることもあります。冬場はしっかり防寒対策を

疲れをためない

寝不足、栄養不足は免疫の働きを低下させる原因になります。

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