リウマチと薬

リウマチの薬の中心は抗リウマチ薬

リウマチと薬

関節リウマチの治療で主に用いられる薬が「抗リウマチ薬(疾患修飾性抗リウマチ薬=DMARDSディーマードともいう)」です。炎症自体を抑える薬ではありませんが、免疫機能の異常による関節への攻撃をやめさせるべく、関節リウマチの活動性をコントロールする薬です。

非ステロイド性抗炎症薬が、炎症を抑え痛みをやわらげる、対症療法的な効果をねらう薬なのに対して、抗リウマチ薬は、関節リウマチを引き起こす病因である免疫異常に作用し、病気の進行・悪化に歯止めをかけるよう働く薬です。

抗リウマチ薬には、「免疫抑制薬」と「免疫調整薬」とがあります。「免疫抑制薬」は、体じゅうの免疫作用を抑えて、関節内での免疫の動きも弱めようとする薬。強力に作用します。「免疫調整薬」は、正常な免疫機能には影響せず、異常を起こしている免疫機能に働きかける薬です。おだやかに作用するタイプです。

おだやかな作用の「免疫調整薬」の代表的な抗リウマチ薬は、シオゾール」や「リマチル」など。強力に作用する「免疫抑制薬」に分類される抗リウマチ薬では「リウマトレックス」や、「メトレート」などのメトトレキサートが一般的です。免疫調整薬は、軽症の人に用いられることが多く、免疫抑制薬は、中等症~重症の人に用いられます。

知っておくべき抗リウマチ薬の特徴

抗リウマチ薬については、以下の特徴があります。

レスポンダー・ノンレスポンダーがいる。3種類使えばどれかが効く

抗リウマチ薬は、すべての患者に同じように効くわけでなく、薬が効く人(レスポンダー)と効かない人(ノンレスポンダー)とがいます。抗リウマチ薬の有効率は、約70%。つまり、10人の患者がいると、そのうちレスポンダーは7人で、残りの人には効かないということです。

残りの3人は別の抗リウマチ薬を使うことになりますが、そのときも2人に効いて、残りの1人には効かないということになります。1つの薬は約3ヵ月のスパンで使い続けて様子をみますから、ノンレスポンダーの場合、薬が合わず、半年は症状がおさまらないことがあり得ます。しかし、大切なのは、だいたい3種類の薬を使えば必ずどれかが効くということ。焦りは禁物なのです。

効果が出るまで2~3ヵ月。効いたら効果は持続

抗リウマチ薬は効果が出てくるまで1~3ヵ月かかり、即効性のものではありません。ある抗リウマチ薬を使い始めたら、最低3ヵ月は使い続けて様子をみる理由はこの薬のこうした性質が理由です。様子をみて、効果が表れない場合は、他の抗リウマチ薬に変更します。

効果が表れるまでの間は、非ステロイド性抗炎症薬やステロイド薬を使って、症状を抑えます。効き目が遅いですが、一度効果が出始めるとそれが継続するのも、抗リウマチ薬の特徴です。

スケープ現象がある。別のリウマチ薬を追加して対処

それまでずっと効いていた薬が、あるときを境に効かなくなることを「エスケープ現象」といいます。抗リウマチ薬では比較的起こりやすい現象です。最近の臨床研究では、別のリウマチ薬を追加することでエスケープ現象がおさまることがわかってきています。

抗リウマチ薬は副作用がある

抗リウマチ薬は、関節へ攻撃をしかける免疫細胞の働きを抑える薬です。つまり、抗リウマチ薬を服用している間は、もともと体に備わっている免疫機能が、全体的に低下し、細菌やウイルスへの防衛反応が鈍くなり、感染症にかかりやすくなります。

起こりやすい抗リウマチ薬の副作用は人によって異なりますが、皮膚のかゆみ、間質性肺炎、肝障害、腎機能障害、口内炎、下痢、胃腸障害、脱毛などがあります。

副作用は、早ければ使い始めて数日、遅い場合だと数週間以上たってから表れます。抗リウマチ薬を使用中は、毎月、血液検査、尿検査などできめ細かくチェックをしながら、十分注意を払う必要があります。主な副作用については、下の表を参照してください。

抗リウマチ薬の副作用

免疫調整薬
  • シオゾール…発疹、タンパク尿、口内炎、間質性肺炎
  • メタルカプターゼ…発疹、肝障害、血液障害、味覚障害
  • カルフェニール…腎機能障害、発疹、胃腸障害
  • リドーラ…下痢、軟便、発疹、口内炎、血液障害
  • リマチル…発疹、タンパク尿、腎障害、血液障害
  • モーバー/オークル…発疹、腎障害、肝障害、血液障害
  • アザルフィジンEN…発疹、血液障害、肝障害、間質性肺炎
免疫抑制薬
  • リウマトレックス/メトレート…感染症、血液障害、腎障害、間質性肺炎
  • ブレディニン…感染症、腎障害、血液障害、吐き気、脱毛
  • アラバ…肝障害、下痢、間質性肺炎、脱毛
  • プログラフ…腎障害、感染症、糖尿病、消化管障害

リウマチの薬の副作用を軽くするための8つの知恵

1.定期的な受診ですばやい対処

薬を服用している間は、定期的に血液検査、X線検査、尿検査をして、副作用が表れているか否かチェックしましょう。万が一、副作用が出た場合でも、定期的に受診していれば、すぐに対処が可能です。

2.気になる症状はすぐ医師に報告

気になる症状は、どんなに小さなことでも医師に伝えてください。アレルギー症状、せき、息切れ、苦しさ、体のむくみ、口内炎など、ちょっとしたことが、重篤な副作用の前駆症状の場合もあるからです。こうした症状が出た場合、医師は診察・検査しながら、棊の投与を調節しますから、必ず医師に相談してください。

3.医師の指示どおりに飲む

飲み忘れない、一度によけいな量を飲まない、勝手に別の蓁を飲まない、勝手に薬をやめない。決められた服用法を守らないと、副作用が出た場合に、症状との因果関係が不明で対処が後れてします。

4.服用は食中か食後に

胃腸など消化器への影響を考慮して、食事中、または食後に飲むようにしましょう。空腹時は避すること。必要に応じて、医師から胃の粘膜保護薬を処方してもらいましょう。

5.お酒はほどほどに

アルコールは肝臓に負担をかけます。関節リウマチの薬は種類も多く、肝臓への負担もかかりまから、お酒はほどほどに。

6.人ごみを避ける

抗リウマチ薬を服用中は、感染症にかかりやすくなりますから、人ごみは避け、外出時は、マスク、帰宅時はうがい、手洗いを徹底しましょう。

7.毎日入浴して皮膚を清潔に

皮膚感染を予防しましょう。

8.カルシウムをはじめ、バランスよく食べる

関節リウマチの治療で用いられるステロイド蘂には、腸管からカルシウムが吸収される作用をおさえたり、尿と一緒に外へ排出されるのを促進する働きがあります。

また、関節リウマチの症状が進むと、骨密度が下がります。カルシウムを積極的にとり、バランスのいい体をつくりましょう。

非ステロイド性抗炎症薬

痛みをやわらげる 非ステロイド性抗炎症薬

非ステロイド性抗炎症薬(NSATIDS=エヌセイド)は、解熱・鎮痛・消炎のために使われ、長い問、関節リウマチを治療する第一の選択薬でした。現在は抗リウマチ薬を中心に治療方針を立てるようになりましたが、非ステロイド性抗炎症薬は、痛みを止める薬として、依然として関節リウマチの治療に欠かせないものです。

非ステロイド性抗炎症薬は、痛みのもととなる体内物質(不飽和脂肪酸)「プロスタグランジン」の合成を促進する酵素(COX=シクロオキシゲナーゼ)の働きを妨げ、炎症と痛みをストップします。即効性があるので(服用後30分~1時間で効き目が表れる)、痛みの緩和のため、今でも多く使われます。

治療の初期、抗リウマチ薬の効果が表れるまでの期間、痛みどめとして暫定的に用いたり、痛みが強いときに頓服で用いたりします。なお、最近は、非ステロイド性抗炎症薬のかわりに、「カロナール」などのアセトアミノフェンを処方することがあります。

現在、日本には100種類以上の非ステロイド性抗炎症薬が存在します。中でも、アスピリンは、歴史上最も売れた薬として知られています。多くは、口から飲む経口薬ですが、一部に坐剤(肛門から入れ、直腸で吸収される薬)もあります。

非ステロイド性抗炎症薬の副作用

非ステロイド性抗炎症薬の副作用としては、吐き気、胃の痛み、胃潰瘍、発疹、ぜんそく発作、むくみ、腎機能障害などがあげられます。関節リウマチの痛みのもとであるプロスタグランジンには、実はいろいろな種類があります。

痛みのもとになるものもあれば、胃の粘膜や腎臓の機能を正常に保つ働きをするものもあるのです。非ステロイド性抗炎症薬は、すべてのプロスタグランジンが合成されるのを抑えてしまうため、副作用として、胃腸障害や腎臓障害が起こってしまうのです

副作用の少ない最新型の非ステロイド性抗炎症薬

最近では、副作用が従来のものより少ない「COX2選択的阻害薬」という非ステロイド性抗炎症薬が登場しています。近年の研究で、プロスタグランジンの合成を促進する酵素「シクロオキシゲナーゼ=COX」には、2種類あることがわかってきました。一つを「COX1:コックスーワン(善玉シクロオキシゲナーゼ)」、もう一つを「COX2:コックスーツー(悪玉シクロオキシゲナーゼ)」と呼んでいます。

COX1は、胃の粘膜や血管を保護するプロスタグランジンの合成に関わるもの。COX2は、炎症があるときに痛みのもととなるプロスタグランジンの合成に関わるものです。 非ステロイド性抗炎症薬のさまざまな副作用は、COX1の働きまで遮断してしまうのが原因といえます。そこで、COX2の働きだけを遮断するものとして登場したのが、「COX2選択的阻害薬」なのです。実際に、胃腸障害などの副作用が少ないことが報告されています。2007年6月、セレコキシブ(セレコックス)が、日本第1号のCOX2選択的阻害薬として承認され、健康保険適用となりました。胃腸障害等、気になる症状がある場合は、医師に相談してみましょう。

ステロイド薬

炎症を強力に抑える副腎皮質ステロイド薬

副腎皮質ステロイド薬(以下、ステロイド薬)は、炎症を強力に抑え、痛みを減らす薬として、関節リウマチの治療で多く用いられる薬です。ステロイドは、腎臓の上の「副腎」という小さな臓器から分泌されるホルモンで、生命維持のために欠かせないものです。

副腎から分泌されるステロイドホルモンは約50種類ありますが、その中の一つが、コルチゾール。コルチゾールは、ストレスを軽減したり、糖質の代謝(栄養素を分解・合成してエネルギーとする働き)を促して血糖値を一定に保ったり、炎症を鎮める働きをするホルモンです。

ステロイド薬は、このコルチゾールを人工的に合成したもの。免疫系の働きを抑え、炎症を強力に封じます。ステロイド薬は、炎症性サイトカインや、痛み物質のプロスタグランジンが合成されるのを抑制することで、抗炎症・免疫抑制作用を発揮します。

抗リウマチ薬、非ステロイド性抗炎症薬の補助として用いる

抗リウマチ薬や非ステロイド性抗炎症薬を使っていても症状が改善せず、耐えがたい痛みがあるときや、妊娠中や副作用の問題で抗リウマチ薬や非ステロイド性抗炎症薬が使えない場合に、補助的に用いられます。

さらに、急性間質性肺炎などの重篤な合併症が出たときに処方されることもあります。経口薬の他、関節に直接注入する方法があります。肘や膝などの大きな関節だけでなく、手の指など、小さな関節に注射することもあります。

知っておくべきステロイド薬の副作用

ステロイド薬を使う場合、副作用には注意深く気を配っていかなければなりません。ステロイド薬の副作用には、軽いものと重いものがあります。

やめれば改善する軽い副作用

よく表れる副作用としては、顔が満月のようにまん丸になる「ムーンフェイス」や、体の中心部分に脂肪がついて手足が細くなる「中心性肥満」などがあります。

また、口の周囲の産毛が濃くなる、にきびのような吹き出物ができる、体のあちこちの皮膚に赤い線のような裂け目が出る(皮膚線条)、紫色の斑点が出る(紫斑)などがあります。食欲不振やだるさがあったり、逆に食欲が異常に増進して体重が増えることもあります。

むくみ、高血圧、多汗、生理不順、不眠、興奮などの症状が表れることもあります。こうした軽い副作用は、ステロイド薬の量を減らすか、使用を中止すれば自然に改善しますので、あまり心配はいりません。

注意を要する重い副作用

ステロイド薬は効果も大きいのですが、使う量が多かったり、服用期間が長くなるほど、重い副作用が出ます。定期的に検査をし、医師の指示のもと、少しずつ薬の量を減らしていくことで、副作用を抑えることができます。

①免疫力低下による感染

ステロイド薬は、免疫システムを抑制するので、細菌やウイルスに感染しやすくなります。肺炎、腎盂炎、肺結核なども起こりやすくなります。

②骨粗しょう症

ステロイド薬には、腸管からカルシウムが吸収される作用を抑えたり、尿と一緒に外へ排出されるのを促進するような働きがあるため、骨粗しょう症になりやすくなります。

③その他

白内障、緑内障、糖尿病、高脂血症、胃・十二指腸潰瘍など。副腎不全症(ステロイド離脱症)は、ステロイド薬を急にやめると起こります。

ステロイド離脱症も知っておきましよう

ステロイド薬の服用を急にやめると、「ステロイド離脱症状」が起きることがあります。熱が出たり、疲れやすくなったり、めまいや吐き気などが表れたり、血圧低下によってショック状態に陥ったりすることがあります。

長期にわたってステロイド薬を服用していると、外からステロイドホルモンが補給されることに体が慣れてしまい、副腎皮質は怠けてホルモンをつくらなくなります。そうした状態で、外部からのステロイドの供給が急になくなると、体をよりよい状態に維持するために必要なステロイドが一時的に得られなくなり、めまいや吐き気などを引き起こすのです。 素人判断で服用をやめるのは禁物です。医師の指示に従うことが何よりも大切です。

ステロイド薬の種類と副作用

  • プレドニン/プレドニゾロン
  • メドロール
  • デカトロン
  • リンデロン
  • コートリル
副作用

ムーンフェイス、中心性肥満、皮膚線条、紫斑、感染症、骨粗しょう症、白内障、緑内障、胃・十二指腸潰瘍など

生物学的製剤

炎症を起こす根本を抑えて関節破壊を止める生物学的製剤

炎症を起こした滑膜に集まった免疫細胞、マクロファージが活性化すると、サイトカインが大量に放出されます。特に、炎症性サイトカインが放出されると、免疫細胞や滑膜細胞を刺激して炎症が増悪され、そして関節破壊を導きます。この反応を引き起こす炎症性サイトカインをピンポイントで制御し、関節破壊自体を止める薬が、最新の治療薬、生物学的製剤です。

抗リウマチ薬が、関節リウマチの活動性を「コントロール」する薬であるのに対し、関節の炎症と破壊を「確実に封じ込める」画期的な薬が、生物学的製剤です。この2つの薬を関節リウマチの初期から併用することで、寛解率が上がり、関節破壊の阻止や予防が可能になりました。

関節リウマチの治療が飛躍的に進歩した理由はこの薬の登場といっても過言ではなく、「パラダイムシフト=抜本的変革」と呼ばれています。

抗サイトカイン療法TNF-αとIL-6がターゲット

生物学的製剤は、炎症性サイトカインだけをターゲットにして抑えることから、この薬を利用した治療法を「サイトカイン療法」と呼びます。関節リウマチでは、炎症を起こしている滑膜から、IL-1、IL-6(インターロイキン-1、インターロイキン-6)、TNF-α(腫蕩壊死因子)などの、炎症性サイトカインが大量に分泌されています。

中でも、TNF-αは、他のサイトカイン(インターロイキン-6など)の分泌量を増加させ、免疫細胞を過剰に呼び集め、炎症を大きくさせていきます。さらに、骨を壊す破骨細胞に作用して活性化させ、骨をつくる骨芽細胞の働きを阻止して、関節破壊を推し進めていきます。

生物学的製剤ができる以前、抗リウマチ薬だけでは、治療効果に限界があることが問題とされていました。抗リウマチ薬は、免疫反応をコントロールするものにすぎず、関節破壊の進行を遅らせることができても、止めることはできなかったからです。

しかし、関節に悪さをするサイトカインのメカニズムがわかって以来、TNF-αをターゲットにする薬の開発が進みました。2003年に「レミケード(インフリキシマブ)」が認可されてから、10年以上が経ち、生物学的製剤も種類が増えました。TNF-αだけでなく、インターロイキン-6をターゲットにした薬や、免疫活動を指揮する細胞(リンパ球T細胞)を標的にした薬も出てきています。今や、関節破壊の阻止・予防が可能な時代になってきたのです。

初期段階から抗リウマチ薬と併用寛解率が上がり寿命も延びる

リウマチ先進国のアメリカでは、病気の初期段階から抗リウマチ薬と生物学的製剤を併用するのが治療の主流となっています。欧米では、発症から1年以内に、抗リウマチ薬と生物学的製剤を投与したことで、66%が寛解したという報告があります。

また、発症から2年以内であれば、生物学的製剤を一時的に使用すれば、約50%が、5年間、薬剤中止が可能であるという報告もあります。さらに、生物学的製剤には、死亡率を下げて寿命を長くする効果があることもわかっています。関節リウマチになると、心臓の血管や脳の血管障害が増えて、健常人より平均10年は寿命が短くなるといわれています。

しかし、抗リウマチ薬と生物学的製剤の併用により、心筋梗塞の発生率が80%も減少するというデータがあります。両薬を併用することで、関節リウマチの根本治療が可能になるだけでなく、血管障害が改善され、死亡率が下がり、長生きできることがわかってきたのです。

生物学的製剤の副作用いまだ未知数という側面

生物学的製剤は、関節破壊を引き起こす多量のサイトカインを減少するように、自然界にあるタンパク質を精製して作られたバイオ医薬品です。そのため、化学合成により工業生産された一般の薬に比べて、代謝による肝臓や腎臓への負担が少なく、安全で効果的な薬といえます(タンパク質で作られており、口から飲むと胃で消化してしまうため、点滴もしくは注射で投与します)。

代謝による副作用は少ないといえますが、認可されてからあまり年月が経っていない薬のため、長期的に使った場合の安全性については未知数です。

現時点で報告されている副作用としては、細菌性肺炎、既質性肺炎、結核、B型肝炎の再発、悪性リンパ腫などがあります。薬の影響により、免疫力が低下することが原因と考えられます。したがって、生物学的製剤を使う際には、これらの副作用が起こっているかどうかを、随時チェックすることが重要です。また、製剤によっては異種タンパクが含まれているため、アレルギー反応が起きることがあります。

予防として、メトトレキサートや抗アレルギー薬を服用します。サイトカイン療法を始める前には、ツベルクリン反応、または、Tスポット、HB2抗体、HBC抗体、B-Dグルカン、KL-6などを調べ、そして、胸部X線写真を撮ります。治療開始後も定期的にX線写真で肺炎や結核などが起きていないかを確認する必要があります。

高額な薬であり患者の負担が大きいという問題

生物学的製剤は画期的な効果を上げます。しかし、薬価が高いことが問題点として指摘されています。遺伝子工学という難しい技術を用いて開発・生産されているため、保険適用とはいえ、値段が高いのです。症状や体重によって幅はありますが、自己負担額は、年間で36万~70万円(3割負担の場合)ほどかかります。

治療に取り組むべく、休職して自宅療養している場合、この額は相当な負担であり、厳しい現実といえます。しかし、決してひとりで悩まず、公的支援制度を利用できるかどうか、まずは主治医に相談してみてください。

生物学的製剤の種類と費用

TNF阻害剤
  • レミケード:費用 2か月ごとに約6万円
  • エンブレル:費用 月1万600円~3万6000円程度
  • ヒュミラ:費用 標準用量で約月4万円
  • シンポニー:費用 標準用量で約月4
  • シムジア:費用 約月4万円
IL-6阻害剤
  • アクテムラ:費用 月2万~4万円程度(点滴は体重に応じて使用料を変える)
T細胞
  • オレンシア:費用 月3万円
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