リウマチと食事

リウマチの食事療法

リウマチの食事

関節リウマチそのものを治療する食事療法はありません。 関節リウマチは関節への負担を懸念して運動不足を招くことがあり、 適正体重を維持して生活習慣病予防に努めるためにも規則正しい食生活が基本です。

過不足のないバランスのとれた食事が大切になります。関節リウマチの治療をうまく進め、QOLを向上させるためにも日々の食生活は大切です。

たんぱく質を中心に豊富なビタミン、ミネラルを

関節リウマチには、特別な食事療法はありません。基本的には穀物、野菜、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などをバランスよくとる食事がよいのです。ただし、この病気ならではの注意ポイントがいくつかありますので、 みていきます。まず、筋肉とのかかわりです。

落ちた筋肉をつくる食事

関節リウマチになると、炎症や発熱の影響でたんぱく質の分解が活発になります。また病気によって日常の動作が制限され、そのため食生活が乱れがちになります。食欲がないため、自分の好きなものばかり偏って食べる人もみられます。このようなことが影響し、関節リウマチの患者さんには、全身の筋肉量が落ちる傾向があります。筋肉をつくるためには、良質なたんぱく質をとることが大切です。

また、勁物性たんぱく質には、鉄を吸収する働きを助ける作用もあり、次に述べる貧血予防にも重要な栄養素です。とはいえ、肉や魚ばかり食べるのはよくありません。 一つ一つの食べ物は、人間にとってはアンバランスな栄養しか含んでいないため、さまざまな食物から、炭水化物(糖質)、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどを、バランスよくとることが大切です。

抗炎症作用がある青背の魚

毎日の献立は偏らず、さまざまな種類の食べ物を組み合わせ、量は少なくてもバラエティに富むよう工夫してください。主食はごはんやパンなどの穀物。主菜は、肉、魚、卵、大豆製品などのたんぱく質を中心に。副菜としては野菜、海藻、きのこ類などを必ずとり入れるようにします。  

主菜は同じ肉を毎口つづけるのではなく、牛の次は鶏に、また肉の次は魚にする、というようにローテーションを組むのもよいでしょう。なかでも、いわし、さんま、さば にしん、ぶりなど、背中の青い魚にはEPA(エイコサペンタエン酸)が多く含まれています。EPAには抗炎症作用があります。背中の青い魚は、関節リウマチの人におすすめできるたんぱく源です。

骨粗しょう症や貧血を食事で予防する

関節リウマチでは、骨粗しょう症や貧血を合併しやすくなりますので、これを予防する栄養素を食事からとるようにしましょう。

骨をつくるカルシウム

カルシウムは、骨や歯をつくる材料になる栄養素で、骨をじょうぶに保つためには、カルシウムを含む食べ物をとることが大切です。同時に、カルシウムを骨に沈着させるためには、運動によって竹に刺激を加えたり、太陽の光を浴びることが必要です。ただ、関節リウマチになると、運勣量が低下し、外に出る機会が減るため日光にあたることも少なくなります。

さらに、治療のために服用するステロイド薬には、カルシウムが腸で吸収されるのを抑えたり、尿といっしょに外へ排泄するように作用するため、骨粗しょう症が起こりやすくなります。そのため関節リウマチの人は、カルシウムを豊富に合む食べ物を、カルシウムの吸収を助けるビタミンDといっしょにとることが重要です。

カルシウムを含む食べ物は、牛乳や乳製品、小魚、小松菜などの緑黄色野菜ですが、腸での吸収率は食べ物によって違いがあります。牛乳は約50%、小魚は約30%ですが、野菜は約18%と低くなります。牛乳に含まれるたんぱく質は腸で吸収されるとき、カルシウムの吸収を助ける物質をつくることがプラスに作用するのです。

また小魚にはたんぱく質やビタミンDが合まれ、やはりカルシウムの吸収を助けます。ですから、野菜のカルシウムの吸収率を上げるには、たんぱく質やビタミンDを含む食品といっしょに調理すると吸収がよくなります。

貧血予防には鉄を含む食品を

貧血予防には、鉄を含む食品を食べることでよい効果を上げます。鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄とがあり、体内吸収率はヘム鉄が約15~25%なのにくらべ、非ヘム鉄は約2~5%と低くなります。ただし非ヘム鉄も、ビタミンCや動物性たんぱく質といっしょにとることで、吸収率が高くなります。

ヘム鉄を多く含む食品は、肉の内臓(レバー)や魚の赤身など。非ヘム鉄を多く含むのは、ひじきや大豆製品など植物性食品です。ただし、とりすぎると胆石や腎結石などを起こすこともありますので注意が必要です。

リウマチに必要な食べ物と栄養素

食事については関節リウマチの場合、基本的に食べてはいけないものはありません。 ただ、痛みや腫れがあって通常の助作がおっくうになりがちですから、太りやすくなり、体重が増えるとと肥満や生活習慣病になりやすくなることがあります。 バランスよく、適度な量を食べることか大切です。

また、とくに気をつけたほうかよい点を挙げるとするなら。鉄分やカルシウムを十分にとることです。 関節リウマチになると、健康な人より貧血や骨粗しょう症になりやすいことがわかっています。

そこで、貧血を予防する鉄分や鉄の吸収をサポートするビタミンCを積極的にとったり、また骨の成分となるカルシウムや、カルシウムの吸収をサポートするビタミンDなどを積極的にとったりして骨粗しょう症を予防します。

タンパク質

脂質、炭水化物とともにエネルギーを生産する栄養素です。 腎機能低下がある場合は、タンパク質制限の食事療法が行われます。 リウマチの薬では、非ステロイド性 抗炎症薬や抗リウマチ薬(などの治療薬による腎障害や、 アミロイドーシスなどによって腎機能低下をきたすことがあるそうです。

タンパク質制限の食事療法では、 適切なエネルギー量の確保も重要となり、 食塩の制限(3g以上6g未満)や必要に応じてカリウムの制限を行う場合もあります。

脂質

質を考慮した適量の摂取が大切です。肉類の脂に多く含まれる飽和脂肪酸を控え、 大豆・大豆製品や魚類などに含まれる不飽和脂肪酸を増やすようにします。

脂質異常症は動脈硬化性疾患に関連しており、動脈 硬化性疾患予防ガイドラインには食事、運動、禁煙などの生活改善が動脈硬化性疾患予防の基本であるとされており、標準体重を維持することも大切です。

炭水化物

炭水化物は、糖質と食物繊維に分けるこ とができます。糖質は血糖上昇に関係し、 食物繊維は食後の血糖上昇を抑制します。 必要エネルギーのうち50~60%を炭水化物で摂取することが望ましいとされており、極端に抑える食事は好ましくありません。

関節リウマチの治療に用いられるステロイドは血糖を上昇させやすいという特徴があります。 一般的に糖尿病の治療では、 食事療法、運動療法が基本ですが、関節リウマチ患者さんでは運動療法が困難な場合があり、食事療法がより重要になります。

血糖コントロールを良好に保つには、主治医から指示されたエネルギー量を守り、栄養バランスのとれた食事療法が有効です。

ミネラル

ナトリウム

食塩は塩化ナトリウムが主成分です。1日蓄尿などの方法でナトリウムなどの排泄量を測定することによって、1日食塩摂取量を求めることができます。 食塩の過剰摂取は、体液量の増加によって血圧の上昇を引き起こします。

高血圧治療ガイドライン2014では、減塩を含む生活習慣の複合的な修正が治療に効果的であることを示しています。

この場合、食塩摂取は6g/日未満が目標です。減塩のポイントは、①漬物や汁物、干物や塩蔵品などの加工食品の摂取を控えること、②減塩の調味料を使用する、③香辛料やうま味(だし)などを上手に利用するなどです。 ナトリウムを減らしカリウムが含まれる減塩の調味料がありますが、腎臓機能低下でカリウム制限のある人には注意が必要になります。

カルシウム

一般に閉経後の女性では骨粗鬆症を発症しやすく、関節リウマチの治療で用いられるステロイド薬によっても起こりやすいので注意が必要です。 骨粗鬆症の予防と治療 ガイドライン2015年版によると、カルシウムの食品からの摂取は1日700~800mgが推奨されています。 カルシウムを多く含む食品は、牛乳・乳製品、小魚、緑 黄色野菜、大豆・大豆製品などです。

加えてカルシウムの吸収に必要なビタミンDや、骨形成に必要なビタミンKも不足しないように心掛けます。 ビタミンDは日光浴で合成されますが、食品では魚類(サケ、サンマ、イワシ)に多く含まれます。 一方でビタミンKは抗凝固薬ワルファリンの効果を弱めるので、服用している場合はビタミンKを多量に含む納豆やクロレラ、青汁などは摂取しないようにします。

鉄は生理的な排泄のほかに成人女性では月経による喪失があり、鉄欠乏性貧血を招きやすくなります。 ただし、炎症がコントロールされていない関節リウマチ患者さんでは慢性炎症性貧血がみられ、鉄を摂取しても反応しにくい場合があります。

食事においては鉄を多く含む食品の摂取を心掛けますが、動物性タンパク質やビタミンCなどによって吸収が促進されます。 お茶、日本茶、紅茶やコーヒーに含まれるタンニンは鉄を不溶化して吸収を悪くするため、 摂取は控えめにするほうがよいでしょう。