リウマチの診断

リウマチの症状や検査を総合し、基準に照らしてリウマチを診断します

リウマチの診断

むずかしいリウマチの診断を可能にした診断基準

関節リウマチの症状は非常に多彩で、あらわれ方も人によって異なることが少なくありません。病気の原因はいまだに不明で、さまざまな角度から検査をしますが、これがみつかればまちがいないといえる、決め手となるものはありません。こういった病気の場合、医師は診断の条件を集めた「診断基準」に照らしながら、リウマチを確定します。

世界で使われる米国の診断基準

関節リウマチの診療には現在、米国リウマチ協会による「診断基準(診断分類)」が国際的に使われていて、日本でも多くの病院が参考にしています。  診断基準の項目は7つで、4つを満たすと関節リウマチであると診断します。ただし、いずれも「6週間異常つづく」ことが条件です。関節がはれて痛む症状などは、カゼをひいたときでも短期間なら起こりますので、条件をつけているのです。

項目のうち、1の「朝のこわばり」は自覚症状です。2から5までは医師が診察する所見、6は血液検査(リウマトイド因子検査)、7は画像検査(X線検査)によるものです。この診断基準が普及して、関節リウマチの診断は格段に進みました。

しかし、項目はいずれも病気が進んだ段階のもので、早期の関節リウマチは、この基準では見落とされがちです。病気が進行してから関節リウマチと診断されたのでは、治療が遅れてしまいます。

1.朝のこわばり

関節とその周辺のこわばりが、少なくとも1時間以上つづく

2.3ヵ所以上の関節炎

少なくとも3ヵ所の関節で同時に、軟部組織の腫脹(骨の過形成のみであってはならない)、または関節液貯留が医師によって確認される

3.手関節炎

手指関節のMCPまたはPIP関節で、少なくとも1ヵ所に腫脹が確認される

4.対称性関節炎

体の左右の同じ関節部位が同時に罹患している

5.リウマトイド結節

骨突起部、伸展筋表面、または傍関節部位に、皮下結節があることが医師によって確認される

6.血清リウマトイド因子

血清リウマトイド因子が陽性(異常高値)を示す

7.X線異常所見

手指または手関節の前後撮影によるX線写真で、関節リウマチの典型的な所見が認められる

2009年に改訂された新基準

早期の診断ができないという限界を解決するため、米国リウマチ学会と欧州リウマチ学会が共同で新基準を作成しました。一か所以上の関節にはれがあれば関節リウマチを考えて検査を進め、別の病気ではないことを確認します。

検査で骨びらんがあれば関節リウマチとし、ない場合でも、基準スコアの合計が6点以上なら関節リウマチとします。

①はれ、または圧痛のある関節の数

  • 中、大関節の1ヵ所…0点
  • 中、大関節の2~10ヵ所…1点
  • 小関節の1~3ヵ所…2点
  • 小関節の4~10ヵ所…3点
  • 最低1つの小関節を含む11ヵ所以上…5点

②血清反応

  • リウマトイド゙因子、抗CCP抗体の両方が陰性…0点
  • リウマトイド゙因子、抗CCP抗体のいずれかが低値陽性…2点
  • リウマトイド゙因子、抗CCP抗体のいずれかが高値陽性…3点

③羅患期間

  • 6週未満…0点
  • 6週以上…1点

③炎症反応

  • CRP、ESRの両方が正常…0点
  • CRP、ESRのいずれかが異常高値…1点

6点以上で関節リウマチと診断確定

  • ①小関節:手の親指の第1・第2関節、人差し指~小指の第2・第2関節、手首の骨びらん
  • 中、大関節:肩、ひじ、ひざ、股、足首の骨びらん。変形性関節症との鑑別のため、手指の第1関節、足親指の第1関節は除外する点
  • ②陽性基準は、施設ごとの正常値を超える場合
  • 低値陽性は、正常上限~その3倍まで
  • 高値陽性は、正常上限の3倍を超える場合

③評価時に、はれまたは圧痛関節のうちで、 患者が申告する罹患期間

④陽性基準は施設ごとの正常値を超える範囲。スコアリングには、最低1つの血清反応と、最低1つの炎症反応の測定が必要

リウマチの診断には、臨床所見や検査結果への判断も重要

いずれにしても関節リウマチは、診断基準の頂目を機械的にあてはめればわかる、といった病気ではありません。診断基準をふまえつつ、患者さんの自覚症状、診察の所見、検査結果などを総合していかなければ、正確な診断はできません。各検査についてはすでに述べましたが、そこでふれられなかった診断と関連する部分を少しみてみます。

炎症反応検査は早期診断に重要

炎症反応は、関節リウマチに活動性があると上昇しますので、リウマトイド因子が陽性になる前の早期診断では、特に重要な検査です。炎症反応検査のうち赤沈は、抗体の量が増えると数値が高くなります。しかし抗体は、関節リウマチに合併しやすいシェーグレン症候群でも増え、合併によって、関節リウマチの活動性以上の数値が出ることがあります。

また、炎症が治まってもすぐには数値が下がらない特徴があり、薬の効果をみる判断が遅くなってしまいます。その点、CRPは、炎症の程度が早く数値に反映され、抗体量にも関連しないため、シェーグレン症候群などの合併症にも影響されません。一方、MMP-3は、CRPにくらべ、関節そのもののはれをより反 映し、早期診断には有用です。ただしこの検査も、ほかの病気を合併したり、ステロイド薬服用などの影響で、数値が高くなることがあります。炎症反応検査は、それぞれの特徴をふまえ、判断する必要があります。

骨びらんは有力な診断材料

X線検をで「骨びらん」が認められると、関節リウマチの有力な診断材料になります。骨びらんは、ほかの膠原病の関節炎ではみられにくく、関節リウマチによる関節破壊の進行度をあらわす、よい指標とされています。関節リウマチは、MMP-3や抗CCP抗体などの新しい検査法が保険の適用になり、より早い段階での 診断が可能になっています。

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