リウマチと合併症

関節リウマチに合併しやすい病気

リウマチと合併症

リウマチ患者の5人に1人が合併する「シェーグレン症候群」

シェーグレン症候群は、涙腺や唾液腺に炎症が起こり、涙やつば(唾液)が出にくくなる病気です。はっきりとした原因は不明ですが、発病には自己免疫がかかわるとされ、膠原病グループの病気です。

全身性エリテマトーデスなど、ほかの膠原病と合併することが多く、半数が全身性エリテマトーデスや関節リウマチをともないます。単独で発病する場合は「原発性シェーグレン症候群」といい、ほかと 合併する場合は「続発性シェーグレン症候群」といいますが、両者に本質的な違いはありません。

関節リウマチとの合併は非常に多く、リウマチ患者の約20%がシェーグレン症候群を発症します。症状としては、眼や囗が渇き(ドライアイやドライマウス)、それにともなって角膜に傷がついたり、虫歯になりやすくなります。

また唾液腺の炎症が激しくなると、耳の下(耳下腺)がはれることもあります。ものが食べにくくなったり、目がごろごろするといった症状があらわれたら、すぐ検査を受けることが人切です。

甲状腺の機能が低下する「慢性甲状腺炎」

橋本病という名でも知られ、甲状腺の機能が低下する病気です。炎症によって甲状腺が破壊され、はれてかたくなり、甲状腺ホルモンが不足していきます。やはり自己免疫による病気とされています。

関節リウマチの患者さんの約10%が橋木病を併発しますが、同じ甲状腺の病気である甲状腺機能亢進症(バセドウ病)を併発することは、ほとんどありません。

異常なたんぱく質がに沈着する「続発性アミロイドーシス」

アミロイドは、絹のような構造をもつ異常なたんぱく質で、アミロイドーシスとは、このたんぱく質がさまざまな臓器の細胞や組織の問に沈着し、その臓器に機能障害を起こす病気の総称です。続発性アミロイドーシスは、慢性の炎症性疾患が長期にわたってつづいたあとに発生するもので、関節リウマチは、アミロイドーシスをまねく代表的な病気のひとつです。関節リウマチを発病後、十数年を経てあらわれる晩期の合併症です。

関節リウマチでは、炎症がうまくコントロールされない状態が長くつづくと、炎症性サイトカインが作用して、肝臓で、「血清アミロイドAたんぱく」というたんぱく質が大量に産生されます。このたんぱく質が処理しきれないと、アミロイドに変化して、あちこちの臓器に沈着してしまうのです。アミロイドにはとけにくい性質があり、いったん沈着してしまうと、これをとり去る有効な治療法はありません。

関節リウマチの炎症をきちんとコントロールすることが、第一の予防策です。続発性アミロイドーシスで、特に問題になるのは、腸管、腎臓、心臓、甲状腺の障害です。

腎アミロイドーシス

アミロイドが腎臓に沈着して、障害を起こします。たんぱく尿が出て、発見されることが多いようです。ネフローゼ症候群の状態になり、しだいに腎機能が低下して透析が必要になることもあります。

診断の確定には腎生検が必要ですが、体への負担が人きいため、より負担の少ない消化管の粘膜で生検を行うこともあります。ここでアミロイドの沈着が認められれば、腎臓にも沈着していることが予測されるからです。

消化管アミロイドーシス

アミロイドが消化管の粘膜に沈着して障害を起こします。難治性の激しい下痢が代表的な症状ですが、逆に腸管の動きが悪くなり、マヒ性の腸閉塞を起こしたり、血便があらわれることもあります。

診断のためには、胃もしくは大腸の内視鏡下粘膜生検を行い、アミロイドの沈着を確認します。症状があらわれた時点で、静脈栄養を行い、絶食して腸管の安静をはかります。

その際、ステロイド注射をして炎症をすみやかに抑えると、効果がみられることがあります。しかし、重要なのはやはり、日ごろから炎症をきちんとコントロールして、予防することです。

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