妊娠初期に気をつけること

妊娠初期に気をつけること

妊娠初期に気をつけること

妊娠すると、心身に大きな変化が起こります。とくに妊娠初期は、ホルモンの影響で、体がだるくなったり、眠くなったり、あるいは吐きけが出たりと妊娠初期の症状があらわれやすくなります。 これは、赤ちゃんの命がおなかの中に宿ったからこそ起きる反応です。

突然のことに戸惑うかもしれませんが、この時期は、自分の体の変化を素直に受け入れながら過ごすことが大切です。 安産のために今、どんなことに気をつけて、何をすればいいのか、妊娠初期に気をつけることをまとめました。

妊娠初期の生活リズムで気をつけること

早寝・早起き・朝ごはん

妊娠すると、急に眠たくなったり、汗をかきやすくなったり、体がむくみやすくなったり…。 今までとは違う体調変化があらわれます。 さらに精神面でも変化が起きて、イライラやワケもな< 悲しくなることも。

おなかの赤ちゃんのためにも、妊娠がわかったら規則正しい生活を心がけ、落ち着いた気持ちで妊婦ライフを送りたいものです。 それには、早寝・ 早起き・朝ごはん、この3つがキーワードです。生活リズムを整えることによって、体への気づかい方もおのずと改善されていくはずです。

妊娠初期に気をつけたいタバコ・お酒

赤ちゃんに影響するのですぐにストップ!

アルコールは胎児アルコール症候群や発育障害、 中枢神経障害などを引き起こす原因になります。 また、タバコは胎盤機能不全や子宮内発育遅延のリスクを高めるおそれがあります。 妊娠がわかったら、アルコールとタバコはすぐにやめましょう。

また、喫煙とあわせてカフェインを摂取している妊婦さんの場合、胎児の発育遅延や早産を招く可能性もあります。 カフェインを含むコーヒーや紅茶などは、1日2杯程度に抑えましょう。

妊娠初期の運動

妊娠初期は無理して運動しない

妊娠初期については自分の体調とよく相談して、無理をしないことを第一に考えてください。胎盤が完成する妊娠5ヵ月ごろになったら、自分が楽しく、「気持ちいい」 と思える範囲で、体を動かしましょう。

妊娠前の運動経験に応じて適度に。運動不足たった人は、歩ぐだけでも充分

胎児は子宮内膜にしっかりと着床していて、そう簡単に はがれるものではないので、 スポーツが原因で流産することはありません。 何度も流産を繰り返している人や、医師から特別な注意を受けている人以外は、基本的に妊娠前と同じく続けてかまいません。

医師の管理のもとで行うマタニティスイミングやマタニ ティビクスなどで、適度に体を動かすのは、妊娠中の太り すぎやストレス解消にもなって効果的。 ただし、妊娠前にまったく運動をしていなかった人が、妊娠したからといって、いきなり始めるのは問題です。

妊娠前から、車や自転車ばかり使って運動不足だった人は、よく歩く程度で充分。 自分の体力を考えて、がんばりすぎないことが大切です。 また、勝負を競うタイプのスポーツは、気づかないうち に無理をしてしまいがち。マイペースで楽しめるような運動かおすすめです。

妊娠初期に気をつける薬

必ず医師に相談を

薬の中には、妊娠初期は使用を控えたほうがいいものもあります。妊娠初期は市販薬は勝手に使わず、必ず医師に相談を。サプリメントも、念のため医師に成分を確認してもらいましょう。

車・自動車

経過が順調な人は無理しない範囲ならOK

妊娠中の車の運転は、とくに問題はありません。ただ、 注意力が散漫になりがちなので、ふだんはなんでもないと 思ってやっているようなことでも、ミスをしたり、集中できないことも多いもの。 自分で、「なんとなく不安だな」と 苣ったら、無理に運転しないほうが安全です。妊婦はシートベルトをつけなくても交通 違反にならないので、締めつけられるようなら無理にする 必要はありません。

また、妊娠中は腰痛になりやすいので、背当てクッションなどを上手に利用し、あまり長距離の運転ばしないように。臨月になったら、いつ陣痛がくるかわからないので、自分で運転するのは避けましょう。 自転車は流産や早産の危険性があって医師から注意を受けている人以外は、問題ありません。ただ、かなり腹筋を使うので、坂道や砂利道は押して歩くほうが無難です。 おなかが大きくなるとバランスをくずしやすいので、転ばないように充分江意して。臨月は車と同様、安全のために乗らないようにしましよう。

妊娠初期に気をつけたい風邪・感染症

妊娠初期は風邪やインフルエンなどに注意

妊娠中は免疫力・抵抗力が下がるので、風邪などの感染症にもかかりやすくなります。体を冷やさない、睡眠を十分とる、できるだけ人混みに出かけないなど予防を心がけましょう。インフルエンザはぜひ予防接種を受けてください。

風疹は感染しでいない人が妊娠初期にかかると、 先天異常が発生する可能性あり

妊娠初期に初めて風疹に感染すると、約50%という高い割合で、先天性風疹症候群といって、胎児に白内障や難聴、 心臓病などの異常が起こることがあります。  

すでに風疹にかかっていたり、予防接種をして免疫ができている人はまず心配いりません。ただし、風疹にかかったかどうかは、ブツブツ発疹が出たなどの症状だけで診断されることが多いので、ときには別の病気である可能性もあります。 また、子どものころに感染していても、免疫力が低下していることもあります。 中学生の女子にはもちろん、2~3年前からは男子生徒にも、風疹の予防接種が実施されていますが、まれに免疫ができていないこともあるので、妊娠を考えはじめたら、念のために保健所か病院で抗体検査を受けておくといいでしょう(健康保険適用外で、1500円くらい)。 結果が陰性の場合は、妊娠していないことを確かめたうえで、ワクチン接種を受けておくと安心。接種後2ヵ月は、避妊が必要です。

レントゲン

胸部レントゲンなどは避けたほうが安心

妊娠初期や妊娠の可能性がある時期はでき るかぎり避けるのが基本。X線検査が必要な 場合は医師に妊娠していることを伝え、腹部を 防護してもらいましょう。 妊娠末期には、骨盤の形を見るためにX線検査をする場合があります。 「妊娠に気づかず、レントゲンを受けてしまった」と心配になる人は多いもの。

異常発生という点でもっとも危険な妊娠4週妊娠7週の場合、放射線量が50~100ミリシーベルト以下であれば、影響はないとされています。 胸や歯のレントゲンは、心配無用。腹部でも、放射線量は1枚で0.2ミリシーベルトなので、一回で100枚以上も撮らないかぎり、心配ありません。 それでもどうしても心配な人は、生理の直後にレントゲン検査を受けるようにしましょう。 この時期であれば妊娠の可能性はありません。急がない場合は、この時期まで検査を延期するのもひとつの手です。

妊娠中と伝えれば、念のために、鉛のエプロンでおなかをガードしてくれることも多いようです。 なお、歯の治療は、なるべく早く終わらせておきましょう。 妊娠しておなかが大きくなると、じっと同じ姿勢で座っているのがつらくなりますし、産後は赤ちゃんの世話で忙しくなるからです。 妊娠前に受けたレントゲン検査が、 妊娠の成立に影響することはありません。

旅行

妊娠中は医師に相談してから

妊娠中は、旅行の予定を決 める前に、まずは主治医に相 談しましょう。 経過が順調な ら、妊娠4ヵ月以降7ヵ月くらいまでの間に、妊婦健診に 支障のないスケジュールで計画しましょう。行き先は、何かあったときに、すぐ医療機関にかかれるような場所にし たいものです。 離島や僻地では、いざというときにあわてる可能性もあります。 温泉もいいですが、妊娠中は肌が敏感になるので、硫黄泉など、刺激の強いお湯への入浴は避けましょう。

また、「妊婦は控えること」と掲示してある温泉もありますか ら、あらかじめ問い合わせをしておくといいでしょう。 熱すぎるお湯に長時間つかったり、温泉のはしごをすると、のぼせや脱水症状をまねく心配があるので、控えめに。

海外旅行は言葉の問題もあるので、現地の言葉で自分の妊娠経過を伝えられるようにするなど、準備は万全に。 なお、妊娠中はワクチン接種のできないものがあるので、予防注射が必要な途上国への旅行は控えましょう。妊娠前も、 ワクチンを打って新婚旅行などに出かける場合は、赤ちゃんに影響するので、旅行中も含めて最低2ヵ月は避妊を。

妊娠初期に仕事で気をつけること

ハードワークは控えめに。妊婦健診は欠かさず受けることが肝心

基本的に、妊娠しても仕事 は続けてかまいませんが、とにかく無理はしないことが重要。肉体労働や深夜勤務がある場合は、早めに無理のない体制への変更を、願い出まししょう。 仕事を休めないからと、妊婦健診をさぼる人がいますが、絶対にしてはいけないことです。忙しいからこそ、しっかり健診を受けて、自己管理をきちんとすることのほうが大切。 体調をこわして入院すれば、もっと大きな迷惑をかけることになります。 パソコンのオペレーターなどで、電磁波の影響を気にする人がいます。 以前は、電磁波が流産や早産に関係しているという報告もありましたが、因果関係は不明で、今のところ影響はないとのこと。

OA機器の場合、電磁波よりも、長時間同じ姿勢でいるために腰痛、肩こり、頭痛を起こしたりストレスがたまったり、 といった影響のほうが大きいようです。 20~30分集中したら、少し休むなど、こまめに休憩をとるように心がけましょう。どうしても気になる場合は、電磁波をカットするエプロンが市販されているので、 つけてみるのもひとつの方法 です。

ペット

トキソプラズマ症を引き起こす原因になるかもしれないので妊娠してから飼うのは慎重に

猫、犬、鳥などのペットを はじめ、豚、牛、鶏などの家畜には、体内にトキソプラズマという原虫が寄生していることがあります。 人がこれらの動物の排泄物に触れたり、 生の食肉を食べると、トキソプラズマ症を起こすケースがあるのです。 妊娠していないときは、感染しても風邪のような症状が出るくらいで問題はありません。 でも、妊娠中に新たに感染すると、流産や早産の原因になったり、知的障害などの異常が発生する可能性があります。ただし、現在では発生頻度は低く、非常にまれな病気といえます。 妊娠前に感染していたなら、母体内に免疫ができているのでほとんど心配はありません。

でも、妊娠中に初めて感染すると、免疫がないぶん、 影響が出やすくなります。 食肉は完全に火を通す、新しくペットを飼うのは避けるな ど、気をつけるほうがいいでしょう。 よく手を洗う、口移しでエサをやらない、ペットといっ しょに寝ないなどに注意すれ ば、飼っているペットを手放す必要はありません。

つわり

つわりのピークは妊娠8週~10週ごろ

気分が悪い、吐く、眠い、頭が痛いなど、このような症状を含めて「つわり」といいます。原因はホルモンの影響といわれており、精神的なストレスが加わると悪化しやすくなります。 つわり対策として、ビタミンB6や漢方薬のほか、酔い止めバンドなどもありますが、効果には個人差があるようです。妊娠5週~妊娠6週から始まり、ピークは妊娠8週~妊娠10週。妊娠12週を過ぎれば落ち着いてくるでしょう。 

妊娠初期に気をつける食べ物

ビタミンA

動物性ビタミンA(レチノール)を多く 含むうなぎやレバーなどを妊娠初期に毎日食べ続けると、赤ちゃんの成長に影響が出る可能性が高くなります。

妊娠中のビタミンA摂取量の上限は、初期は650 ~700μgRE/日、中期以降は3000μg、サプリからは全期において600μgRE/ 日。 緑黄色野菜に含まれ、体内でビタミンAに変わるβ-カロテンは、とりすぎても心配はいりません。

ひじき

ひじきは栄養価の高い食品なので、た くさん食べたほうが体によいと思いがちですが、2004年に「ひじきは有害な無 機ヒ素が含まれるので注意が必要」という勧告が英国でありました。 そしてその後の厚生労働省の調査では、「体重50kgの人が1日4.7g以上を連続して食べなければ問題ない」としています。副菜として週に2回、小鉢を1杯程度を目安にしましょう。

まぐろ・金目鯛

大型の回遊魚に含まれるメチル水銀は、 赤ちゃんの中枢神経に悪影響を及ぼす場 合があります。妊婦に関しては、食べる量を抑えたい食材です。

妊娠中の摂取目安は、金目鯛、めかじき、メバチまぐろ、 本まぐろは週1回、キダイ、まかじき、 ミナミまぐろ、クロムツは週2回。 ただし、良質なタンパク質とDHAなどの高度不飽和脂肪酸が多く含まれるため、食べすぎない程度にとりましょう。

妊娠初期の要注意のトラブル

子宮外妊娠

正常なら、子宮内膜に着床する受精卵 が、それ以外のところに着床したもの。 90%以上は卵管で起こります。原因はさまざまですが、卵管に炎症や障害がある と、受精卵が卵管を通るときにひっかか って、そこで着床しやすいといわれています。胎児が成長すると細い卵管が耐え きれず、流産したり、破裂してひどいと きにはショック状態を起こすことも。

初期にはほとんど症状がありませんが、手遅れになるとたいへん危険です。 最近は、超音波検査で破裂前に診断できるようになっているので、妊娠判定を自己判断ですまさず、饐診を受けて、必 ず正常であることを確認してもらう必要があります。妊娠の継続はできませんが、 早めに処置をすれば母体に危険はありません。

胞状奇胎

胎盤をつくるはずの絨毛組織が、ぶどうの房のように粒状になって子宮内いっ ぱいに増殖する病気。症状は、吐きけや嘔吐などのつわりが非常に激しく、同時に少量の出血が続きますが、おなかが張る程度で痛みはありません。

発生率は全妊婦の0.5%とめったに起こりませんが、わかったら数回に分けて子宮の内容物を除去する手術を行い、 完全に病巣を取り除く必要があります。 病巣が残っていると、絨毛がんに移行することがあるからです。超音波や血液検 査で早期に発見できます。

流産・切迫流産

医学的には、妊娠21週までになんらかの原因で受精卵が育たず、出産できない状態になった場合を流産といいます。流産は妊娠の約10%に起こります。とくに 妊娠11週までの流産が非常に多く、この時期の流産では圧倒的に赤ちゃん側に育だない原因があります。

その場合は「稽留流産」といって、子宮内で胎児が死亡していることがほとんど。症状としては出血と下腹部痛があり、なかには大量の出血を見ることも。

また、こうした症状があって流産しかかっている状態を「切迫流産」といいます。切迫流産でも、赤ちゃんの心音が確認できて元気なら、安静にして妊娠を継 続することができます。入院が必要な場 合もあります。

Share: