妊娠と生理の関係

生理のリズムが整ってない

この記事は福岡の病院の産婦人科専門医が監修しています
生理

毎月の生理には、妊娠のための準備を整えるという役割もあります。 生理不順は妊娠の成立に影響するケースも。ちょっと変かな?と思ったら、そのままにせず、まずは基礎体温をつけてみましょう

妊娠に必要な条件はまず排卵があること

妊娠は、精子と卵子がめぐりあい、受精することから始まります。いくらセックスをして精子が入ってきても、女性の体の中に卵子がなければ、何も始まりません。 きちんと排卵していることが、妊娠成立のための第一条件といえるでししょう。毎月、規則正しく生理があるからといって、排卵しているとはかぎりません。 排卵はしていないのに見せかけの生理が起こる、「無排卵性月経」というのもあるのです。

排卵を確認するひとつの目安が、基礎体温。 最低1ヵ月、毎日測ってみて、体温が高温期と低温期の二相に分かれていれば、排卵している可能性が高いと考えられます。排卵後の卵巣から分泌される黄体ホルモンには、体温を上昇させる働きがあるためです。 また、きちんと排卵していても、あまりにも不規則だと、次の排卵日が予測できないので、計画的に妊娠することは むずかしくなります。

受精卵のベッドになる子宮内膜の増殖も重要

受精した卵は、細い卵管を通って子宮内に到達し、子宮 内膜に着床します。これが妊娠成立の最終段階です。 着床するのに不可欠なのは、子宮内膜の増殖、分泌が進み、受精卵が着床しやすいふかふかのベッドを準備して いること。 この準備が不充分だと、受精卵は落ち着く場所をなくし、着床しないまま流れていってしまいます。

たとえば、生理と生理の間隔が極端に短い人は、子宮内膜が充分に準備されないうちに、はがれてしまうことになるので、受精卵を受け入れられな いことがあります。 このように、毎月の生理には妊娠への準備という大切な役割があります。生理がスム ーズでないと、妊娠成立の各段階でトラブルの原因に。 生理のリズムを整えておくことは、妊娠できる体づくりの基本ともいえるのです。

生理のサイクル

25~38日周期で繰り返す

生理

受精が成立しないと,いらなくなった子宮内膜は子宮の内側からはがれ、 血液とともに 膣から排出されます。

卵子の成長

生理が始まるころから、卵巣の中では 脳下垂体からのホルモンの刺激を受けて、20個くらいの原始卵胞が成熟していきます。

排卵

生理と生理の中間あたりで。もっとも早く成熟した 卵胞から卵子が卵巣の外へ 排出されます。

内膜の増殖

生理が終わったころから、また少しずつ子宮内膜の増殖、分泌が始まり、受精卵を受け入れるためのぶかぶかのベッドを準備していきます。

こんな生理のケースは妊娠できる?

ダイエットで生理が止まったまま

生理のコントロールタワー は、脳の視床下部というところにあります。ここには食欲を管理する中枢も同居しているので、過激なダイエットを して食欲中枢が乱れると、その影響で生理が止まったり、 周期が乱れたりするのです。

これを「体重減少性無月経」 といいますが、治療がむずかしく、体重は元に戻っても、なかなか生理力が戻らないことがよくあります。 ダイエットに限らず、長い間生理が止まったままにしておくと、妊娠しにくくなるなどの影響を及ばすことも。止まっている状態が2ヵ月続くようなら、婦人科で治療を受けましょう。同時に、無理なダイエットなどをしないよう、生活の改善も必要。

2ヵ月に一度くらいしか生理がこない

生理の周期が40~50日と長く、たまにしかか生理がこない状態を「稀発月経」といいます。 ホルモン分泌がスムーズでなく、排卵までの期間が長いために、次の生理までの間があいてしまうものと、無排卵性月経の場合があります。 周期が長くても、定期的に生理がきていも妊娠は可能ですが、排卵する回数が滅るぶん、チャンスは少なくなります。

一方、無排卵性月経の場合は、治療が必要。「たまにしか生理がこないとらくでいい」などと気 楽にかまえていると、排卵がないケースだった場合には妊娠できず、治療にも時間がかかってしまいます。 毎回この状態なら早めに婦人科へ。

生理が月に2回もある

生理の周期が25日以内で、ひと月に2回もくるようなケ ースを「頻発月経」といいます。これには、①低温期が極端に短い場合、②高温期が極端に短い場合、③無排卵生月経の場合の3タイプがあります。 卵巣機能が 低下すると、低温期が短くなります。高温期が短い場合は、 子宮内膜が受精卵を受け入れる状態まで、充分に整わないうちにはがれてしまうので、着床がうまくいきません。

無排卵性月経の場合は、生理はあっても排卵していないので、妊娠できません。いずれも放っておくと、いざ妊娠というときに、治療に時間がかかります。この状態が続くなら早めに婦人科へ。

生理の日数が短く、出血量も少ない

正常な生理の持続日数は3 ~7日ですが、2日以内で終 わってしまい、出血量も少な いものを「過少・過短月経」 といいます。いろいろな原因がありますが、子宮の発育が非常に悪い場合や、人工妊娠中絶や自然流産のときに受けた処置で、子宮内膜に傷が残った場合、また無排卵の場合にも、生理の出血量が少なくなることがあります。

排卵があれば受精は可能ですが、子宮内膜の状態が悪いと着床がうまくできない可能性も。排卵がなければ妊娠は不可能ですし、いずれの場合も早めの治療が必要なので、 何力月も続くようなら、婦人科へ。

  • 出典元:妊娠について知っておきたいこと
    監修 岡山医療センター産婦人科 日本周産期・新生児医学会 母体・胎児専門医 塚原 紗耶

妊娠初期をサポート| FORTIES

この記事は妊娠初期をサポートする情報メディアサイトとして病院の医師、産婦人科専門医が監修した文献をもとにFORTIESが加筆・修正し掲載しました(2018.08.06)

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