不妊治療と不妊検査

不妊治療

病院に行くタイミングはケースバイケース

なかなか妊娠しない場合、いつごろ病院へ行ったらいいのかは、ケースバイケースです。生理痛や生理不順など、自分で気になる症状があるなら、不妊かどうかにかかわらず、すぐに病院へ。自覚症状がない場合は、夫婦の年齢や不妊の期間がポイント。

不妊検査や不妊治療がどの程度できる病院かを確認して

赤ちゃんができるかしら?と不安に思っている段階で、最初から体外受精を専門に行っているような、不妊治療専門の病院へ行く必要はありません。最初は、通院に都合のよい近所の産婦人科で、基礎的な妊娠指導や検査を受けてみましょう。

ただ、不妊について充分な知識や経験のない医師にかかると、時間を無駄にしてしまう可能性もあります。どの程度の検査や治療が可能なのかを、初診のときに率直にきいてみましょう。

不妊検査の開始時期の目安

不妊期間が2年以上の場合

不妊期間が1年以上で下のいずれかの場合

  • 生理不順がある
  • 開腹手術、とくに子宮や卵巣の手術を受けたことがある
  • 腹膜炎にになったことがある
  • 35歳以上である

不妊期間に関係なく受診したほうがいい場合

  • 無月経(生理が2ヵ月以上止まったまま)
  • 開腹手術、とくに子宮や卵巣の手術を受けたことがある
  • セックスがうまくできない

女性が受ける不妊の検査

初診で問診、内診など基本的な婦人科の検査を行ったあと、2回目以降の受診から、必要に応じて不妊検査が行われます。代表的な検査は下のとおり。

*費用は、自費の場合の目安を示してあります。自分の入っている健康保険で、3割負担なら、この金額の3割がおよその費用の目安。 同じ名前の検齔でも、個々のケ-スによって実施方法が異なるので、費用も異なってきます。

ホルモン試験

ホルモンの分泌状況を調べる

ホルモンは視床下部→下垂体→卵巣→視床下部というサイクルで作用しますが、このなかのどこに問題があって、生理不順や無月経が起こっているのかを検査。ある種のホルモンを注射で投与して、それに対して別のホルモンがどのように反応するかをみることもあります。結果が出るまで、約2週間かかります。

健康保険が適用されるものとされないものとがあります。1ホルモン1回測定で、2000~4000円前後。普通は、何種類かのホルモンを同時に調べます。

排卵を起こすホルモンの分泌がスムーズでない場合は、排卵誘発剤で人工的に排卵を起こすことがあります。

子宮卵管造影法

子宮や卵管の状態を調べる

膣から子宮内へ細い管で造影剤を注入し、子宮、卵管をレントゲン撮影。卵管が詰まっているかどうかや子宮の奇形もわかります。かなり痛いのが難点ですが、得られる情報量が多<、軽症の場合は、検査によって詰まっていた卵管が開通して、治療を兼ねてしまうこともあり、メリットの多い検査。所要時間10分程度。結果はすぐにわかります。

健康保険適用。1万5000~2万円前後。撮影するフィルム枚数や、使用造影剤によって異なります。

排卵を起こすホルモンの分泌がスムーズでない場合は、排卵誘発剤で人工的に排卵を起こすことがあります。

通気・通水検査

卵管が通っているかどうかを調べる

膣から子宮内へ炭酸ガスを吹き込んで、卵管が蜀通しているかどうかをみるのが通気検査、液体(生理食塩水)を通すのが通水検査。卵管の状態を調べるにはもっとも簡単で、痛みの少ない検崑ですが、卵管のどこが詰まっているかなど、細かいことまではわかりません。所要時間3~5分で、結果はすぐにわかります。

健康保険適用。2000円前後。

卵管閉塞の場合は、開腹して顕微鏡で見ながら卵管を治療する顕微鏡手術(マイクロサージェリー)や、体外受精を行います。

子宮頸管粘液検査

子宮頸管粘液の働きを調べる

子宮頸管粘液は、ふだんは腔内の細菌などが子宮に侵入しないよう、バリアの役目をしていますが、排卵時には精子が通りやすいように量や粘りけが増えます。この4動きが正常かどうかをみるため、排卵日ごろに腔から注射器などで粘液を採取して、量や粘りけを調べたり、乾燥させて顕微鏡で結晶の状態を観察。数分で終わり、結果はすぐにわかります。

健康保険適用。2000円前後。

粘液の状態が正常でない場合は、ホルモン治療で粘液の量を増やすか、人工授精を行う場合もあります。

男性が受ける不妊の検査

精液検査

精液の量や働きを調べる

マスターベーションで容器に精液を採取して、顕微鏡で観察。精液の量、濃度、運動率、奇形率がわかりますが、そのときの体調によって結果が異なるので、1回だけで判断せず、繰り返し行います。精液の粘りけが`取れるまで30分~1時間置いてから検査するので、自宅で採取してくることも可能。結果は数時間でわかります。

一般的な精液検査は、健康保険の適用で1000円前後。このほか、健康保険が適用されない特殊な検査もあります。

精子の数が少ない場合や運動率が極端に悪い場合は、人工受精や体外受精、顕微受精に進みます。

適合性を見る検査

フナーテスト

精子と子宮頸管粘液の適合生を調べる

男性の精子と女性の子宮頸管粘液との適 合性をみます。排卵の時期に直接セックスをしたあと、2~3時間以内に膣の分泌物や子宮頸管粘液を採取し、その中に精子がいるか、いる場合は元気に動いているのかを観察。結果はすぐにわかりますが、1回だけでは不正確なので繰り返し行います。

健康保険適用。1000円前後。

子宮頸管粘液が精子の進入を妨げているようなら、人工授精に進みます。

不妊治療

人工授精

排卵の時期に合わせて採取した精液を、子宮内に注入する方法です。男性が乏精子症や精子無力症の場合、精子と子宮頸管粘液の適合性が悪い場合、原因不明の不妊の場合に行われます。夫の精液を使うAIHと、病院側で準備した夫以外(非配偶者)の精液を使うAIDがあり、成功率はそれぞれ5%、15~20%程度です。

費用は、健康保険適用外のため病院によって幅があり、AIHが1回あたり1万~3万円、AIDが5万~10万円程度。

体外受精

試験管ベビーともいわれます。卵子を取り出し、シャーレなど体外で精子と受精させて子宮に戻す方法。採卵は麻酔をかけて行います。成功率20%程度。妊娠時の2~3割は、双子以上の多胎妊娠になるという報告があります。卵管閉塞で、手術しても治療が困難な場合、子宮内膜症などで腹腔内癒着がひどい場合、原因不明でたとえば3~4年以上妊娠しないような場合に行われます。

受精卵を子宮に戻す方法のほか、採取した卵子を精子といっしょに卵管膨大部に戻すGIFTと、体外で受精させた受精卵を卵管膨大部に戻すZIFTがあります。

費用は健康保険適用外のため病院によって幅があり、1回あたり25万~50万円程度。

顕微受精

体外受精でもうまくいかないとき、顕微鏡を使って人工的に精子を卵子の中に入れる、不妊治療の最先端の方法。卵子の表面に穴をあけるもの(PZD)、卵子の外側の部分に精子を注入するもの(SUZI)、細いガラス管を卵子に刺して1個の精子を送り込むもの(ICSI)の3通りあります。

確実さのために現在よく行われるのはICSIですが、医師が1個の精子を選んで強制的に受精させるため、多くのなかから元気な精子が受精するという自然淘汰蜊動かず、染色体異常の頻度が増えるという報告があります。

費用は健康保険適用外のため病院によって幅があり、1回あたり、体外受精の費用+5万~15万円程度。

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