妊娠12週までは2週間ごとその後は4週に1回チェック)

この記事は福岡の病院の産婦人科専門医が監修しています
妊娠初期の健診

妊娠12週までの間は、母休の外見的な変化はほとんどありませんが、赤ちゃんの脳や内臓、目や耳といった器官がつくられる大切な時期。流産しやすい時期でもあり、気分も不安定になりやすいので、2週間ごとに健診を受けて、医師とコミュニケーションをとりながら、予定日の誤差をチェックしたり、貧血や流産予防の指導などを受けます。  

無事に妊娠12週を迎えたら、4週に一度のペースに切り替えて、赤ちゃんの発育に異常がないかチェックし、お母さん側はいいお産を迎えられるように体調を管理します。妊娠15週を過ぎれば胎盤も完成し、安定期に入ります。

病院での基本の検査

問診

つわりの状態、流産傾向がないかどうか、太りすぎていないか、などをチェック。おもに助産婦さんから、体重管理のための食事指導などが行われます。

内診

妊娠経過に異常はないか、赤ちゃんの発育状況などをチェック。病院によっては超音波検査(エコー)だけだったり、異常なおりものや出血があったとき以外はしないところも。また、いっしょに子宮頸がんの検査をするところもあります。

身長測定

太りすぎの才計票となるBMI 値を出すために、身長を測定します。身長が低いと、赤ちゃんの頭より骨盤が狭いことがあるので、そのチェックにもなります。

超音波検査(エコー)

妊娠初期、中期、後期の最低3回行われるのが一般的。希望があれば検診のたびに行う病院もあります。超音波を出す探触子(プローブ)をおな かに当てたり膣の中に入れて、跳ね返ってくる反射波 (エコー)によって内部の断面を画像に映し、子宮内の胎児の様子を観察します。

おなかの外からの場合は、 水溶性のゼリーを腹部に塗り、その上にブローブを当てます。超音波は水があるほうが通りやすいので、膀胱に尿をためた状態で診断。一方膣からの場合は、距離が短いのでより画像が映りやすくなります。

こちらは尿がたまっていなくても診断可能。子宮後屈の場合は腹部からの超音波が届かないので、膣から検査します。ともに胎児への影響はなく安全で、痛みもありません。おもに以下のことをチ ェックします。

正常妊娠の確認

卵巣や子宮の様子を見て、子宮外妊娠や胞状奇胎などの異常がないか、双子や三つ子などの多胎妊娠かどうかを確認します。そのほか、胎盤の位置や羊水量などの観察も行います。

予定日の確定

胎児の体長を測定して、計算した予定日があっているかどうかを確認します。予定日を過ぎると胎盤機能が低下し、 赤ちゃんが危険になるので、 ここでの確認はとても重要。 妊娠10週の胎児を36mmとして、誤差を修正します。

妊娠判定のとき、生理が不順だったり、 最終生理日がはっきりしなくても、ここで調整できるので 大丈夫。

心拍の確認

画像で心臓が動いているのを確認(1分間に140~160回くらい)。16週からは、ドップラーという超音波を使った装置によって、心音を聞くことができます。

合併症の確認

子宮筋腫や卵巣賞腫などの、婦人科系の病気があるかどうかをチェック。妊娠の継続に影響がないか、確かめます。

血液検査

妊娠初期、中期、後期と3回行われるのが一般的。腕の静脈から採血して、以下のような内容を調べます。※の項目は、役所で配付される母子手帳についている無料券で受けられる検査。残りは自費となります。

貧血のチェック

妊娠中は貧血になりやすいので、血中のヘモグロビン血色素の値※を調べてチェック、正常値は12~14g/dl。貧血がわかったら、食事指導を受け、鉄剤などが出されます。

ウィルス検査

B型肝炎※、C型肝炎ウィルス に感染レていないかを調べます。病院によっては了解をとってエイズウィルスの検査をするところも。

梅毒血清反応※の検査

梅毒は、セックスで感染するSTDの一種。感染していると、流産や早産をまねいたり、 赤ちゃんが先天性梅毒になる可能性が。陽性でも早期発見で治療すれば、赤ちゃんの感染を防げます、

血液型のチェック

ABO型とRh型の両方で調べ、胎児との血液型不適合や出産時の大出血に備えます、

クラミジア検査

STDのひとつで、感染していれば、出産時に産道から赤ちゃんへ感染を起こし、結膜炎や肺炎を起こしやすくなります。検査は採血による方法のほか、おりもので調べる場合もあります。

成人T細胞白血病の検査

生まれたあと、赤ちゃんに母乳で感染します。母乳育児をしなければうつりません

風疹の抗体検査

風疹は妊娠15週以前に感染すると、先天異常の赤ちゃんが生まれる確率が高くなるので、チェックします。ただ、最近は予防接種が義務化されているので、省く病院も、抗体がないと診断されたら、医師と相談のうえ、うつらないよう細心の注意を。

トキソプラズマ検査

妊娠中、ペットなどの体内にいるトキソプラズマ原虫に感染すると、流産や早産の可能性が`高くなるといわれ、かつては必ず検査していました。しかし、最近は症例もほとんどなく、検査しない病院も増えています。

血圧測定

最高が140mmHg、最低が90mmHgを超える場合は要注意

妊娠中は血流量が増えて、ふだんより血圧が上がりぎみになります。高血圧になると心臓や血管への負担がかかり、妊娠中毒症をまねく危険があるので、毎回必ずチェック。最近は、自分で測定する自動血圧計が備えられる病院が増えました。高めの人には食事・生活指導が行われます。重症の場合は入院して治療をすることも。

体重測定

1週間に500g以上増えたら要注意

太りすぎやむくみ予防のため、毎回必ず測ります。もともとの体各によって基準値には個人差がありますが、増加 は1ヵ月1kg以内を目安に。 多い場合は、低力ロリー食の 指導が行われたり、マタニティビクスやウォーキングなどの運動をすすめられます。

尿検査

尿中にたんばくや糖が出ていないかをチェック

初診時は妊娠判定のために 行われますが、定期検診では、 妊娠中毒症や糖尿病の発見に 役立ちます。尿中にたんぱくが出た場合は、妊娠中毒症の可能性が。2回以上たんぱく尿が出るか、むくみや高血圧などの症状で総合的に診断されます。

尿中に糖が出ていれば、糖負荷テストをして糖尿病かどうかを調べます。結果に応じて、食事療法やがなどで治療。

むくみ(浮腫)検査

足にむくみが出ていないかをチェック

すねの内側を指先で押さえて、へこんだ状態のまま元に戻らなければ要注意。ほかに、朝起きたとき指がはれぼったく握りにくい、指輪がきつい、まぶたがはればったいなどがむくみの症状。さらに体重増加が週に500g以上あると、妊娠中毒症と診断され、食事や生活指導が行われます。

  • 出典元:日本産科婦人科学会 妊婦健診
    監修:竹下俊行(たけした としゆき)日本医科大学付属病院 女性診療科・産科 主任教授

妊娠初期をサポート| FORTIES

この記事は妊娠初期をサポートする情報メディアサイトとして病院の医師、産婦人科専門医が監修した文献をもとにFORTIESが加筆・修正し掲載しました(2018.08.06)

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