妊娠初期をサポートします
妊娠初期に気をつけること

妊娠初期に気をつけること

妊娠すると、心身に大きな変化が起こります。とくに妊娠初期は、ホ ルモンの影響で、体がだるくなった り、眠くなったり、あるいは吐きけが出たりと不快症状があらわれやすくなります。

これは、赤ちゃんの命 がおなかの中に宿ったからこそ起き る反応です。突然のことに戸惑うか もしれませんが、この時期は、自分の体の変化を素直に受け入れながら過ごすことが大切です。

安産のために今、どんなことに気をつけて、何をすればいいのか、妊娠初期に気をつけることをまとめました。

妊娠初期に意識して摂取したい葉酸

妊娠初期に必要とされる栄養素が葉酸です。妊娠の1ヶ月前から妊娠4ヶ月までの間に葉酸を十分に摂取すると、胎児の脳や脊髄の発達異常である神経管閉鎖障害の発症リスクを減らせることがわかっているからです。

妊娠する前から必要だったなんて、もう遅い、と気にするママもいるかもしれませんが、それほどリスクは高くありません。葉酸はこれからの妊娠期や授乳期にも必要な栄養素なので、これを機会に意識してとりましょう。

生活リズムで気をつけること

早寝・早起き・朝ごはん

妊娠すると、急に眠たくなったり、汗をかきやすくなったり、体がむくみやすくなったり…。 今までとは違う体調変化があらわれます。

さらに精神面でも変化が起きて、イライラやワケもな< 悲しくなることも。 おなかの赤ちゃんのためにも、妊娠がわかった ら規則正しい生活を心がけ、落ち着いた気持ちで 妊婦ライフを送りたいものです。

それには、早寝・ 早起き・朝ごはん、この3つがキーワードです。生活リズムを整えることによって、体への気づかい 方もおのずと改善されていくはずです。

タバコ・お酒

赤ちゃんに影響するのですぐにストップ!

アルコールは胎児アルコール症候群や発育障害、 中枢神経障害などを引き起こす原因になります。 また、タバコは胎盤機能不全や子宮内発育遅延の リスクを高めるおそれがあります。

妊娠がわかったら、アルコールとタバコはすぐにやめましょう。 また、喫煙とあわせてカフェインを摂取してい る妊婦さんの場合、胎児の発育遅延や早産を招く可能性もあります。

カフェインを含むコーヒーや紅茶などは、1日2杯程度に抑えましょう。

運動

妊娠初期は無理して運動しない

妊娠初期については自分の体調とよく相談して、無理をしないことを第一に考えてください。胎盤が完成する妊娠5ヵ月ごろに なったら、自分が楽しく、「気持ちいい」 と思える範囲で、体を動かしましょう。

妊娠前の運動経験に応じて適度に。運動不足たった人は、歩ぐだけでも充分

胎児は子宮内膜にしっかり と着床していて、そう簡単に はがれるものではないので、 スポーツが原因で流産するこ とはありません。

何度も流産を繰り返している人や、医師 から特別な注意を受けている人以外は、基本的に妊娠前と 同じく続けてかまいません。

医師の管理のもとで行うマタニティスイミングやマタニ ティビクスなどで、適度に体を動かすのは、妊娠中の太り すぎやストレス解消にもなって効果的。

ただし、妊娠前に まったく運動をしていなかっ た人が、妊娠したからといっ て、いきなり始めるのは問題です。妊娠前から、車や自転車ばかり使って運動不足だっ た人は、よく歩く程度で充分。

自分の体力を考えて、がんば りすぎないことが大切です。 また、勝負を競うタイプのスポーツは、気づかないうち に無理をしてしまいがち。マイペースで楽しめるような運動かおすすめです。

必ず医師に相談を

必薬の中には、妊娠中は使用を控えたほうがいいものもあります。市販薬は勝手に使わず、必ず医師に相談を。 サプリメントも、念のため医師に成分を確認してもらいましょう。

車・自動車

経過が順調な人は無理しない範囲ならOK

妊娠中の車の運転は、とくに問題はありません。ただ、 注意力が散漫になりがちなの で、ふだんはなんでもないと 思ってやっているようなことでも、ミスをしたり、集中できないことも多いもの。

自分 で、「なんとなく不安だな」と 苣ったら、無理に運転しないほうが安全です。妊婦はシー トベルトをつけなくても交通 違反にならないので、締めつけられるようなら無理にする 必要はありません。

また、妊娠中は腰痛になりやすいの で、背当てクヅションなどを上手に利用し、あまり長距離の運転ばしないように。

臨月になったら、いつ陣痛がくるかわからないので、自分で運転するのは避けましょう。

自転車は流産や早産の危険性があって医師から注意を受けている人以外は、問題ありません。ただ、かなり腹筋を使うので、坂道や砂利道は押して歩くほうが無難です。

おなかが大きくなるとバランスをくずしやすいので、転ばないように充分江意して。臨月は車と同様、安全のために乗らないようにしましよう。

感染症

風邪やインフルエンなどに注意

妊娠中は免疫力・抵抗力が下がるので、風邪などの感染症にもかかりやすくなります。体を冷やさない、睡眠を十分とる、できるだけ人混みに出かけない など予防を心がけましょう。インフルエンザはぜひ予防接種を受けてください。

風疹は感染しでいない人が初期にかかると、 先天異常が発生する可能性あり

妊娠初期に初めて風疹に感 染すると、約50%という高い割合で、先天性風疹症候群と いって、胎児に白内障や難聴、 心臓病などの異常が起こることがあります。  

すでに風疹にかかっていたり、予防接種をして免疫がで きている人はまず心配いりません。ただし、風疹にかかっ たかどうかは、ブツブツ発疹が出たなどの症状だけで診断されることが多いので、ときには別の病気である可能性も あります。

また、子どものころに感染していても、免疫力 が低下していることもあります。

中学生の女子にはもちろん、2~3年前からは男子生徒にも、風疹の予防接種が実施されていますが、まれに免疫ができていないこともあるので、妊娠を考えはじめたら、念のために保健所か病院で抗体検査を受けておくといいでしょう(健康保険適用外で、1500円くらい)。

結果が陰性の場合は、妊娠していないことを確かめたうえで、ワクチン接種を受けておくと安心。接種後2ヵ月は、避妊が必要です。

レントゲン

胸部レントゲンなどは避けたほうが安心

妊娠初期や妊娠の可能性がある時期はでき るかぎり避けるのが基本。X線検査が必要な 場合は医師に妊娠していることを伝え、腹部を 防護してもらいましょう。

妊娠末期には、骨盤の形を見るためにX線検査をする場合があります。

「妊娠に気づかず、レントゲ ンを受けてしまった」と心配になる人は多いもの。異常発生という点でもっとも危険な 妊娠4~7週の場合、放射線量が50~100ミリシーベルト以下であれば、影響はない とされています。

胸や歯のレントゲンは、心配無用。腹部 でも、放射線量は1枚で0.2ミリシーベルトなので、一回 で100枚以上も撮らないかぎり、心配ありません。

それでもどうしても心配な人は、生理の直後にレントゲ ン検査を受けるようにしましょう。

この時期であれば妊娠の可能性はありません。急がない場合は、この時期まで検査を延期するのもひとつの手です。

妊娠中と伝えれば、念のために、鉛のエプロンでおなかをガードしてくれること も多いようです。 なお、歯の治療は、なるべ く早く終わらせておきましょ う。

妊娠しておなかが大きく なると、じっと同じ姿勢で座っているのがつらくなります し、産後は赤ちゃんの世話で忙しくなるからです。

妊娠前に受けたレントゲン検査が、 妊娠の成立に影響することはありません。

旅行

妊娠中は医師に相談してから

妊娠中は、旅行の予定を決 める前に、まずは主治医に相 談しましょう。

経過が順調な ら、妊娠4ヵ月以降7ヵ月く らいまでの間に、妊婦健診に 支障のないスケジュールで計画しましょう。行き先は、何かあったときに、すぐ医療機関にかかれるような場所にし たいものです。

離島や僻地で は、いざというときにあわてる可能性もあります。 温泉もいいですが、妊娠中は肌が敏感になるので、硫黄泉など、刺激の強いお湯への入浴は避けましょう。

また、 「妊婦は控えること」と掲示 してある温泉もありますか ら、あらかじめ問い合わせを しておくといいでしょう。

熱すぎるお湯に長時間つかった り、温泉のはしごをすると、のぼせや脱水症状をまねく心配があるので、控えめに。 海外旅行は言葉の問題もあ るので、現地の言葉で自分の 妊娠経過を伝えられるように するなど、準備は万全に。

なお、妊娠中はワクチン接種のできないものがあるので、予 防注射が必要な途上国への旅 行は控えましょう。妊娠前も、 ワクチンを打って新婚旅行な どに出かける場合は、赤ちゃんに影響するので、旅行中も 含めて最低2ヵ月は避妊を。

仕事

ハードワークは控えめに。妊婦健診は欠かさず受けることが肝心

基本的に、妊娠しても仕事 は続けてかまいませんが、と にかく無理はしないことが重要。肉体労働や深夜勤務があ る場合は、早めに無理のない体制への変更を、願い出まししょう。

仕事を休めないからと、妊婦健診をさぼる人がいますが、絶対にしてはいけないことです。忙しいからこそ、しっかり健診を受けて、自己管理をきちんとすることのほう が大切。

体調をこわして入院 すれば、もっと大きな迷惑を かけることになります。 パソコンのオペレーターなどで、電磁波の影響を気にす る人がいます。

以前は、電磁波が流産や早産に関係しているという報告もありましたが、因果関係は不明で、今のところ影響はないとのこと。

OA機器の場合、電磁波より も、長時間同じ姿勢でいるために腰痛、肩こり、頭痛を起こ したりストレスがたまったり、 といった影響のほうが大きいようです。

20~30分集中した ら、少し休むなど、こまめに休憩をとるように心がけましょ う。どうしても気になる場合は、電磁波をカットするエプロンが市販されているので、 つけてみるのもひとつの方法 です。

ペット

トキソプラズマ症を引き起こす原因になるかもしれないので妊娠してから飼うのは慎重に

猫、犬、鳥などのペットを はじめ、豚、牛、鶏などの家 畜には、体内にトキソプラズ マという原虫が寄生している ことがあります。

人がこれら の動物の排泄物に触れたり、 生の食肉を食べると、トキソプラズマ症を起こすケースが あるのです。 妊娠していないときは、感染しても風邪のような症状が出るくらいで問題はありません。

でも、妊娠中に新たに感 染すると、流産や早産の原因になったり、知的障害などの異常が発生する可能性があり ます。ただし、現在では発生 頻度は低く、非常にまれな病気といえます。

妊娠前に感染していたなら、母体内に免疫ができているのでほとんど心配はありません。でも、妊娠中に初めて 感染すると、免疫がないぶん、 影響が出やすくなります。

食肉は完全に火を通す、新しく ペットを飼うのは避けるな ど、気をつけるほうがいいで しょう。 よく手を洗う、口移しでエサをやらない、ペットといっ しょに寝ないなどに注意すれ ば、飼っているペットを手放す必要はありません。

つわり

つわりのピークは妊娠8週~10週ごろ

気分が悪い、吐く、眠い、頭が痛いなど、このような症状を含めて「つわり」といいます。原因はホルモ ンの影響といわれており、精神的なストレスが加わると悪化しやすくなります。

吐きけ対策として、ビタミ ンB6や漢方薬のほか、酔い止めバンドなどもありま すが、効果には個人差があるようです。妊娠5~6週か ら始まり、ピークは妊娠8~10週。12週を過ぎれば落ち着いてくるでしょう。 

食生活で気をつけること

鉄分やビタミンを中心にバランスのとれた食生活

ある程度バランスのとれた食事ができていればOK。ただし、妊娠初期のころはつわりもあるので、無理せず食べられるものを食べましょう。

とくに妊娠初期に注目したいのは、鉄分・ 葉酸・カルシウムの3つです。

葉酸

ビタミンB群のひとつである葉酸は、おなかの赤ちゃんの発育に大切なもの。不足すると細胞の新生がスムーズにいかないので、胎児の主要器官が形成される妊娠初期にはとくに積極的にとりましょう。

1日の推奨量は一般女性の2倍の480μg。緑黄色野菜に多く含まれています。

鉄分

胎児に酸素と栄養を運ぶ役目があります。推奨量は1日19.5mg。 不足すると、鉄欠乏性貧血になり、胎児の発育不良や出産時にお産が長引いたり、出血が多くなるなどのトラブルも。

肉の赤身や青魚、貝類や大豆製品、青菜、きくらげ、ひじきなどに多く含まれています。

カルシウム

丈夫な骨や歯をつくるカルシウムは、胎児の体の形成に欠かせないものです。神経細胞の情報伝達をスムーズにして情緒を安定させる働きもあるので、妊娠中のイライラを解消する効果も。

小魚、乾物、大豆製品、乳製品 などに多く含まれています。

  1. mamate

    妊娠初期の症状や気をつけること、また管理栄養士が監修した葉酸サプリを紹介しています。厚生労働省は、妊娠の可能性がある女性は、 食事での葉酸摂取に加えて、サプリメントなどによる1日400μgの葉酸摂取を推奨しています。