認知症予防のためには、良質のたんぱく質を積極的にとる

認知症予防と食事

肉や魚、卵、大豆製品、乳製品に豊富なたんぱく質は、かつては、高齢になればそれほど必要ない、といわれたこともありました。しかし、現在では、高齢期の寝たきりを防ぐため、60代以降もたんぱく質を積極的にとって、筋肉を維持することが重要なのは、常識になっています。認知症予防においても、たんぱく質は重要です。

加齢や体内の酸化ストレスによって、傷ついた全身の細胞や脳の神経細胞を修復するには、良質なたんぱく質が必要になります。

また、たんぱく質には血管を丈夫にする働きもあり、これが認知症予防にもつながるのです。認知症を遠ざける体をつくるには、1日に、「体重(㎏)×1.0~1.5」gのたんぱく質をとることが理想的です。たんぱく質の不足が気になる場合は、良質なたんぱく質を含む食材を積極的にとりましょう。

良質なたんぱく質がとれるおすすめ食材

大豆製品

肉や卵などの動物性たんぱく質は、部位によってはコレステロールや脂質が多く、脂質異常症や糖尿病などの生活習慣病を招くこともあるが、大豆は植物性たんぱく質のためコレステロールや脂質が少なく、その点は安心。

また、大豆特有の成分であるレシチンや大豆イソフラボンには、動脈硬化を予防・改善して血管の健康を保ち、全身の健康を守る働きがある。大豆製品は豆腐や豆乳、納豆、油揚げなど、バリエーションが豊富なので、毎日食べても飽きにくいのがうれしいポイント。

  • コレステロールや脂質の少ない、良質な植物性たんぱく質が豊富
  • レシチンという成分が、動脈硬化や記憶力の低下を防ぐ
  • 大豆イソフラボンが生活習慣病の発症を防ぐ

たんぱく質は、20種類のアミノ酸の組み合わせでできているが、このうち9種類は必須アミノ酸と呼ばれ、ヒトの体内では合成できないため、食べ物から摂取する必要がある。卵は、この9種類の必須アミノ酸をすべてバラ ンスよく含む、優秀な食材。1日1個まで、といわれていたのは昔の話で、今は1日2個食べることで、むしろコレステロールが下がるといわれている。脳の神経伝達物質の材料となるコリンや、脳の機能を改善するビタミンB12などの栄養素も含む。

  • 体内で合成できない必須アミノ酸がすべて含まれる
  • 脳の神経伝達をスムーズにするコリンという成分が含まれる
  • ビタミンB12が脳神経の修復や再生、活性酸素の除去に働く
しじみ

しじみも、卵と同じように9種類の必須アミノ酸をすべて含む貴重な食材。また、オルニチンという成分には、体内の有毒物質であるアンモニアを解毒する作用がある。すると、筋肉や神経細胞が活動するためのエネルギー源となるATP(アデノシン三リン酸)の産生が活発になり、脳の健康が保たれる。

また、しじみに豊富なビタミンB12は脳内で情報伝達を担う神経細胞を修復したり、活性酸素を除去して血管の動脈硬化を防ぎ、脳への血流を保つ働きも期待できる。

  • 体内で合成できない必須アミノ酸がすぺて含まれる
  • 脳神経の活動を支えるATP不足を防ぐ
  • ビタミンB12が脳神経の修復や再生、活性酸素の除去に働く

納豆を1日1パック以上食べる

認知症と納豆

夕食に1パックの納豆を食べて、脳の血管を守る

いつもどおりの和食の献立に「納豆」をプラスするだけで、認知症予防に理想的な食事になります。納豆の原料である大豆には、植物性の良質なたんぱく質が豊富です。また、食物繊維も豊富なため、積極的にとることで、血糖値やコレステロール値を下げる効果が期待できます。これは、血管の動脈硬化を予防できるということ。認知症を防ぐうえでも、大きなメリットです。

さらに、納豆にはほかの大豆製品にはない特徴があります。それは「ナットウキナーゼ」の血液をさらさらに保つ効果です。ナットウキナーゼは、大豆を納豆菌で発酵させるときにつくられる酵素。血管の壁にたまってコブをつくる悪玉コレステロールや中性脂肪を溶かし、血管内で血栓(血の塊)ができるのを予防。血液がさらさらになるので、血圧を下げる効果 も。

また、細胞の新陳代謝を促す、ビタミンB群やポリアミンという物質も含みます。これらの作用で血管の動脈硬化を予防・改善し、全身の血管、ひいては脳の健康を保つのです。まさに納豆は、認知症予防のための「完全食」といっても過言ではありません。

認知症を遠ざけるためには1日1バック以上、夕食時にとるのが理想的。ナットウキナーゼが効果を発揮するのは、食後5時間前後といわれています。夜中の1時から5時ごろは、血栓ができやすく、脳梗塞や心筋梗塞が起こりやすいので、夕食に納豆を食べることで、この「魔の時間帯」に血栓ができるのを防ぐことが期待できます。

納豆のメリット
  • ナットウキナーゼという成分が血液をさらさらに保ち、動脈硬化を防ぐ
  • ご飯と一緒に食べると、血糖値の上昇がゆるやかに
  • 細胞の新陳代謝を促すビタミンB群やポリアミンが含まれる

効果アップのひと工夫

1.ひきわリタイプを選ぶ

ナットウキナーゼの効果を最大限に得るには、「ひきわり納豆」がおすすめ。ひきわり納豆は、表面積が増えるので、1パックでより多くの納豆菌をとることができる。また、丈夫な骨をつくるビタミンKも粒状の納豆より多く含まれる。骨折により活動量が減ることも、認知症のリスクを急上昇させるので、骨の健康を保つ意味でも有効。

2.良質な油と組み合わせる

納豆に良質な油を追加することで、さらに栄養バランスが整う。オリーブオイルやアマニ油など、動脈硬化の進行を抑える油を、1パックにティースプーン1杯くらい 加えるのが目安。納豆に含まれるビタミンKは、油とー緒にとることで吸収がよくなり、骨を丈夫に保つ効果もアップ。プラスする油の種類を変えてみて、風味の違いを楽しむことも、脳への刺激になる。

  • [1]厚生労働省 認知症予防マニュアル
    監修 独立行政法人国立長寿医療研究センター 鈴木 隆雄
    https://www.mhlw.go.jp/...
    [2]厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要
    https://www.mhlw.go.jp/...
    [3]認知症|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省
    https://www.mhlw.go.jp/...

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