認知症の原因は少しずつ解明されている

認知症の原因

発症するまでわからない、予防のできない病気というイメージが強かった認知症。しかし、最新の研究では、認知症の発症の原因などが明らかになってきており、予防策もだいぶわかってきています。

血管の老化が認知症を発症させる原因に

血管の老化と関わりの深い認知症が約8割

ヒトの老い=血管の老化”といっても過言ではないほど、血管の老化は全身の健康に影響を及ぼします。脳の健康や認知症においても例外ではありません。血管との関係がもっともわかりやすいのは、認知症の約2割を占める「脳血管性認知症(のうけっかんせいにんちしょう)」です。

脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳卒中が原因で発症します。その脳卒中は、糖尿病や高血圧といった生活習慣病によって、「動脈硬化=血管の老化」が進行することで起こります。つまり、生活習慣の改善で血管の老化を食い止めれば、脳卒中、ひいては脳血管性認知症を予防できるのです。

また、認知症の約6割を占める「アルツハイマー型認知症」も血管の老化と関連があります。アルツハイマー型は前の段階から、脳内にアミロイドβペプチドなどの異常なたんぱく質がたまり、進行とともに量が増えていきます。

このとき、脳の血管内では炎症が起き、血管の老化が進行します。脳に充分な栄養が届かず、神経細胞が壊れるなど、限界を超えると認知症を発症すると考えられます。

認知症予防には、血管の老化対策が大切なのです。

高血糖や糖尿病は、認知症の最大のリスクになる

インスリンの働きが認知症のリスクを左右する

近年、認知症との深い関係が注目されているのが、「糖尿病」です。糖尿病の人は、アルツハイマー型認知症の発症リスクが2~3倍にもなることが明らかになっています。

理由の1つは、糖尿病は動脈硬化、すなわち血管の老化を進行させるからです。認知症と糖尿病の関係において、近年特に注目されているのが、「インスリン」というホルモンの影響。

インスリンの働きによって、糖は脳や筋肉、肝臓でエネルギーとして使われます。ところが、高血糖の状態が続く糖尿病では、次第にインスリンの効きが悪くなってしまいます。

この状態を「インスリン抵抗性」といいます。インスリンが充分に働かないと、脳は糖をエネルギーとして取り込みにくく、エネルギー不足の状態に。そのため、認知症のリスクが高まるのです。

また、インスリンは、血糖値を下げる働きのほかに、脳に働いて「記憶物質」としても重要な役割を担っていることがわかってきました。糖尿病の影響でインスリン抵抗性があると、記憶力も低下してしまいます。

糖尿病予備群は、認知症予備群

糖尿病と診断されていなくても、高血糖の人は、インスリン抵抗性が起こっている危険性があります。もちろん、動脈硬化も進み、血管の老化の原因となります。

糖尿病予備群に当たる人は、現在、700万人以上いると推測されますが、糖尿病の予備群ということは、認知症の予備群でもあるという意識を持ち、食生活の工夫や運動で、直ちに改善する必要があります。

インスリン抵抗性の有無は血液検査でわかるので、健康診断のときにオプションで追加するのをおすすめします。

脳のエネルギー不足が認知症のリスクを高める

脳のエネルギー不足を防ぐには、食生活の改善が必要

血管と並んで、脳や体の老化のカギを握っているのが「ATP(アデノシンさんリンさん)」です。ATPは、ヒトが生命活動を維持するためのエネルギー源で、筋肉や内臓を動かしたり、生命活動に必要なあらゆる代謝を行ううえで、欠かせないものです。

体内では、炭水化物や脂質などの栄養素を材料に、補酵素と呼ばれるビタミン類やミネラル類などの助けを借りてATPをつくり出しています。

年齢とともにATPをつくるために必要な補酵素が不足しがちになるので、体は子不ルギー不足の状態に。実際、40歳のときのATPの産生量(つくり出せる量)を100とすると、80歳では60ほどに減ってしまいます。

脳は、体内のエネルギーの約20%を消費する。そのため、エネルギー不足が起こると、脳には大きなダメージとなります。エネルギーが豊富な若い人の脳は、脳内の情報伝達がスムーズで、遠くの神経細胞同士で情報が行き交っています。

しかし、加齢によってエネルギー不足になった脳は、近くの神経 細胞とだけやりとりする″省エネモード”に働き方が変化。

この状態が続くと脳の機能は少しずつ低下します。これを防ぐためには、バランスのよい食事でATPの産生を促すことが大切なのです。

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